イクタは業者の実績を確かめてと書いている|公式見解の読み方

監修者

フロアコーティングアドバイザー|執行役員
対馬 洋二

業界10年。数多くのフロアコーティングを手掛けてきました。前職はRIZAPのトレーナーとして、お客様の目標達成にコミット。その経験を活かし、売るためではなく、本当に必要なご提案を大切にしています。床材との相性や種類、ペット対応まで分かりやすくご説明します。

床がイクタの銘木フロアーです。メーカーのページに、コーティング業者の実績を確かめてくださいと書いてありました。やってもいいけれど自己責任、ということなんでしょうか。

ほぼその通りです。ただ言い方に注目してください。イクタは床材メーカーで唯一、フロアコーティングのための質問項目を公式に立てている会社です。他社はワックスの回答に混ぜるか、まったく触れないかのどちらかでした。そのうえで禁止せず、業者の施工実績等の信頼性を充分ご検討ください、と施主に投げています。判断の主体を、はっきり住む人の側に置いた書き方です。

施工する側からすると、これはいちばん厳しい書かれ方でもあります。禁止されていないぶん、うちの仕事の質がそのまま結果になります。逃げ場がありません。

月300件以上のフロアコーティングを施工している専門業者として、イクタが何を求めているのかを読み解きます。そして、この会社の床には独特の事情があります。空気を洗うと銘打った光触媒の床です。

この記事の結論
  • イクタはコーティング専用の質問項目を持っています。禁止せず、業者選びを施主に求めています
  • トラブルが起きても弊社では責任を負いかねる、と明記されています
  • ワックスは、イクタとしておすすめしていません。理由まで書かれています
  • 光触媒の床は、室内光が届いて働きます。膜で覆った場合の記載は確認できませんでした
目次

コーティングのための質問が、公式に立っています

イクタのフローリング基礎知識の中に、こういう項目があります。フロアーコーティングを依頼する場合、気をつけることは。質問の立て方からして、依頼することを前提にしています。

コーティングの種類、施工方法によっては、表面材の変色、剥がれ、ジョイント部分の突き上げ、床鳴り等のトラブルが発生する事例があります。コーティングの施工業者を選定される場合には、業者の施工実績等の信頼性を、お客様にて充分ご検討お願いします。万一、コーティングに拠るトラブルが発生した場合には、弊社での責任は負いかねますのでご理解の程、宜しくお願い申し上げます。

イクタ フローリング基礎知識の質問集

事例があります、という書き方

他社の文章と読み比べると、違いがよく分かります。大建工業もLIXILもノダも、恐れがありますという想定の話をしています。イクタは事例がありますと書きました。実際に起きた、という意味です。

そして挙げられているトラブルに、他社には出てこない項目が1つあります。ジョイント部分の突き上げです。板と板のつなぎ目が持ち上がる現象で、下地の水分や伸び縮みが原因で起きます。現場を見ている会社でないと、この言葉は出てきません。

施工実績を確かめてください、という指示

この回答の中心は、真ん中の一文です。業者の施工実績等の信頼性を、お客様にて充分ご検討お願いします。メーカーが施主に宿題を出しています。

では何をどう確かめればいいのか。イクタはそこまでは書いていません。当社が施工する側として、聞かれて困らない質問を挙げておきます。

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確かめること聞き方の例答えが曖昧なら
同じ床材での実績イクタの、この品番での施工は何件ありますか初めてなら、その旨を言える業者かを見ます
経過年数いちばん古い現場は何年経っていますか年数を言えない業者は追跡していません
不具合が出たときの対応剥がれや突き上げが出た場合、誰が何をしますか保証書に書かれているかを確認します
下地処理の中身この床にはどんな処理をしますか。削りますか削ると答えたら、単板の厚みを聞き返してください
試し塗りの有無契約前に試し塗りをしてもらえますか断る業者には任せないでください
会社の継続年数創業から何年ですか。保証は何年ですか保証年数より会社が短命では意味がありません
当社が用意した確認項目です。イクタが具体的に指定しているものではありません

4行目を特に強調しておきます。イクタの主力である銘木フロアーの単板は0.3mmです。削ると答える業者がいたら、その時点で危険です。0.3mmは削れる厚みではありません。髪の毛3本ぶんほどしかない層に、研磨の機械を当てる話になります。

フロアコートアドバイザー

こういう質問をされると、正直に言えば緊張します。でも歓迎しています。イクタが施主に確かめてくださいと書いているのは、業者によって差が大きいことを知っているからです。差があるなら、選ぶ側には選ぶ材料が要ります。聞かれて答えられない業者が減るなら、業界全体にとってもいいことです。

ワックスのほうは、おすすめしていません

コーティングには中立的なイクタですが、ワックスにはもっとはっきりした態度を取っています。公式のコラムに、こう書かれています。

イクタとしてはおすすめしておりませんので、ご自身で責任を持って行ってください。

イクタ フローリングの正しいお掃除方法

理由も並べられています。塗布ムラが出たり滑りやすくなるなどの不具合が生じる可能性があること。定期的な塗り替えが必要で、その際の剥離作業が強いアルカリ性の薬品と水を使うため、床への負荷が非常に大きいこと。

この理屈は、当社の考え方と近いです。ワックスは、塗り続ける前提の選択です。そして剥離のたびに床が痛みます。10年20年の単位で見ると、負荷の総量は膜を1回作るより大きくなることがあります。

もっとも、イクタは質問集のほうでは推奨のワックスを具体的に挙げています。木質フローリング専用ワックスの塗布をすすめるとして、リンレイのハイテクフローリングコートと、そのつや消し40とつや消し20、そしてフローリング専用ワックスつやなしの名前が出ています。おすすめはしないが、やるなら指定品で。そういう立て付けです。

挙げられた4つのトラブルを、原因から見ます

イクタが挙げたトラブルは4つです。表面材の変色、剥がれ、ジョイント部分の突き上げ、床鳴り。実はこの4つ、原因がきれいに分かれます。施主の方が業者を見極める材料になるので、分解しておきます。

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トラブル主な原因防ぐために業者がすること
表面材の変色下地処理の薬剤が、塗装や単板に合わない目立たない場所での試し塗りと、時間を置いた確認
剥がれ密着不足。汚れや油分が残ったまま塗っている清掃の工程を省かない。乾燥を待つ
ジョイント部分の突き上げ水分が継ぎ目から入り、板が膨らむ洗浄の水分量を抑え、乾燥時間を十分に取る
床鳴り下地や留め付けの状態が、施工前から不安定現地調査で歩いて確認し、事前に施主へ伝える
トラブルの名称はイクタの記載によります。原因と対策は当社の現場での判断です

この表を見ると、共通点が浮かびます。4つとも、床材ではなく施工に原因があります。イクタが業者の実績を確かめてくださいと書いた理由が、ここにあります。同じ床、同じ液剤でも、施工する人が違えば結果が変わる領域だということです。

床鳴りだけは、性格が違います

4つのうち床鳴りだけ、少し事情が異なります。これは施工前からの下地の状態に左右されるからです。

当社は現地調査で、必ず全部屋を歩きます。すでに鳴っている箇所があれば、その場で施主にお伝えして記録に残します。施工前から鳴っていた床は、施工後も鳴ります。ここを先に共有しておかないと、あとで原因の押し付け合いになります。

逆に、施工前は鳴っていなかったのに施工後に鳴り始めた場合は、水分の入り方を疑います。だからこそ記録が要ります。業者に現地調査の記録を残してもらえるか、これも確かめておくといいです。写真1枚と一言のメモで、後の揉め事はかなり減ります。

空気を洗う床、という独特の製品があります

イクタを語るうえで避けて通れないのが、エアー・ウォッシュ・フローリングです。2015年に発売された、空気を洗うフローリングと銘打たれた製品群です。

仕組みは光触媒です。公式の説明を引きます。

独自の酸化チタンが蛍光灯やLED照明などの室内光にも反応して、床に蓄積するウイルス・菌・VOC(シックハウスの原因物質)・臭いの原因物質を除去します。

イクタ エアー・ウォッシュ・フローリング

光が当たらないと働かない、という性質

光触媒は、光が当たることで働きます。イクタの場合は、室内の照明でも反応する設計になっています。そして酸化チタンは、床のいちばん上の層に入っています。同社は製品の塗装の説明として、可視光型の光触媒による消臭やウイルスや細菌の低減効果を挙げています。

ここまで分かると、次の疑問が出てきます。上から膜をかけたら、この機能はどうなるのか。

当社が調べた範囲では、フロアコーティングとエアー・ウォッシュ機能の関係を、イクタが名指しで説明した記載は確認できませんでした。ここは推測で埋めません。

ただし、隣接する記述はあります。ワックスについてイクタは、こう書いています。

イクタのエアー・ウォッシュ・フローリング製品は、エアー・ウォッシュ機能が低下する恐れがある。

イクタ フローリングの正しいお掃除方法より、ワックスをすすめない理由として

ワックスで機能が低下する。そしてコーティングの回答のほうには、製品本来の表面性能が変化する可能性があるという趣旨の記述があります。2つを重ねると、方向は見えてきます。ただしこれは当社の読み取りであって、メーカーがそう言っているわけではありません。

この床でコーティングを検討されている方には、当社ははっきりお伝えしています。空気を洗う機能を理由にこの床を選んだのであれば、施工は勧めません。どうしても両立させたいのであれば、イクタに直接お問い合わせのうえ、書面で回答をもらってから決めてください。それがいちばん確実です。

逆に、エアー・ウォッシュの機能を知らずにその床が入っていた、という方も多いです。建てる会社が仕様として選んでいた場合ですね。この場合は、機能を残すかどうかを一度考えていただきます。知らなかった機能のために、傷を防ぐ選択をあきらめる必要はありません。大事なのは、知ったうえで決めることです。

性能データの注記も読んでおいてください

公平を期すために、もう1つ書いておきます。イクタは性能のグラフを掲載したうえで、こう注記しています。

※表示のデータは実測値であり、性能保証するものではありません。

イクタ エアー・ウォッシュ・フローリングの注記

本製品は病気の治療や予防を目的とする医療機器ではない、という注記も添えられています。つまり暮らしの中でどれだけ効くかは、保証されていません。この機能をどこまで重く見るかは、住む方の判断になります。当社としては、施主の方が何を大事にしているかを伺ってから助言しています。

製品ごとに、表層の厚みが大きく変わります

イクタは、表層の厚みを公式に明記している数少ないメーカーです。当社にとってはありがたい会社です。

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製品表層表層の厚み塗装と当社の見方
ビンテージフロアー ラスティック挽き板2mmラスティック塗装。厚いので選択肢が広がります
銘木フロアー ラスティック突き板0.3mmラスティック塗装。削る処理は使えません
銘木フロアー シルク突き板0.3mmシルク塗装の3分ツヤ。艶を合わせるのが難しい部類です
エアー・ウォッシュ・フローリング プリオスシート公式に記載を確認できませんでしたオレフィンシートと特殊ハードボード。試し塗りで判断します
銘木フロアー ラスティック 直貼45突き板0.3mmマンション用。遮音等級の表示があります
出典 イクタ 各製品ページ。2026年9月時点の掲載内容です

イクタの主な床材は、エアー・ウォッシュ・フローリング、銘木フロアー、銘木フロアー ラスティック、プリオスです。製品ごとの詳しい解説は順次追加していきます。

2mmと0.3mmでは、別の床だと思ってください

同じイクタの床でも、ビンテージフロアーの2mmと銘木フロアーの0.3mmでは、施工の考え方がまったく変わります。2mmは木の質感がしっかりあり、多少の研磨にも耐えます。0.3mmは、薬剤で汚れと油分を落とす以外に手がありません。

イクタが公式に厚みを出してくれているおかげで、見積もりの段階で作戦を組めます。厚みを公表していないメーカーの床では、現地に行くまで分かりません。ここは施主の方にとっても、業者の説明を検証する材料になります。

もう1つ、イクタが正直に書いている注意があります。銘木フロアーラスティックとビンテージフロアーラスティックについて、樹種によってひっかき傷やすり傷が白く目立ちやすい場合がある、と製品ページに添えられています。傷が目立ちやすい床だと、メーカー自身が言っています。膜を作る動機としては、正当なほうです。

ラスティック塗装という、艶のない仕上げ

イクタの床でもう1つ押さえておきたいのが、塗装の性格です。同社はラスティック塗装について、オイル塗装の様なしっとりとしたマットな風合い、と説明しています。業界で初めてツヤの無いマットな仕上がりを実現した、という言い方も自社の強みのページに出てきます。

ここが難しいところです。オイル塗装のように見えるけれど、中身はオイルではありません。塗膜のある塗装で、水拭きができます。同社も、水拭きができキズがつきにくい塗装だと書いています。つまり見た目はオイル、性質はウレタン系という組み合わせです。

この床にコーティングをかける場合、艶を合わせるのがかなり難しくなります。マットに見せるために表面が細かく荒らされているので、そこを液剤で埋めると一気に印象が変わります。当社は艶を抑えた仕上げを選んだうえで、必ず試し塗りを見ていただきます。写真では差が出ないので、実物で確認してください。

マットな質感が気に入ってこの床にしたんです。艶が出てしまうなら、やらないほうがいいのかもしれませんね。

その判断は十分あり得ます。当社は艶消しの膜も扱っていますが、メーカーが専用の塗装で作った質感と完全に同じにはなりません。質感で選んだ床では、質感を守るほうを優先していただいて構いません。そのうえで、傷が白く目立ちやすいという性質もあります。悩ましい床なので、時間をかけて決めてください。

ヘリンボーンの床は、手間が変わります

イクタには、フレンチヘリンボーンの床があります。同社はこれをパネル型に設計することで、従来のフレンチヘリンボーンの約5分の1の施工時間を実現したと説明しています。意匠の特許も取得している、と自社の強みのページに書かれています。

貼るのは早くなっても、コーティングの手間は減りません。むしろ増えます。理由は単純で、板の向きが交互に変わるからです。木目の向きが違えば、液剤の伸び方も乾き方も変わります。まっすぐ並んだ床と同じ感覚で塗ると、艶にムラが出ます。

当社はヘリンボーンの部屋では、塗る方向と順番を先に決めてから作業に入ります。継ぎ目の数も通常の床より多いので、水分の管理はさらに慎重になります。イクタが挙げたジョイント部分の突き上げは、この柄でいちばん警戒すべき項目です。

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ヘリンボーンの見積もりで、通常の床と同じ単価を出してくる業者がいたら、一度確認してみてください。手間が同じはずがないんです。安いことが悪いとは言いませんが、何をどう見積もったのかを説明できるかどうかは見ておいたほうがいいです。

柄の美しさを目的に選んだ床なので、艶で印象を壊さないことも大事です。当社は艶を抑えた仕上げをご提案したうえで、必ず試し塗りを見ていただきます。模様が主役の床では、膜は脇役に徹するべきだと考えています。

依頼するなら、この順番で進めてください

STEP
エアー・ウォッシュ仕様かどうかを確かめる

イクタの床では、ここが最初の分岐です。ビンテージフロアーラスティック、銘木フロアーラスティック、銘木フロアーシルク、プリオスなどが対象製品として挙げられています。この機能を理由に選んだのであれば、当社は施工を勧めません。機能を知らずに入っていた場合は、残すかどうかを家族で決めてください。

STEP
表層が挽き板か突き板かシートかを見る

イクタは厚みを公表しています。挽き板なら2mm、突き板なら0.3mmです。0.3mmの床で削る下地処理を提案されたら、その場で断ってください。竣工図書の内装仕上表に製品名があれば、公式サイトで照合できます。ここまでは施主の方でも確認できます。

STEP
業者に実績と保証を質問する

イクタが求めているのが、まさにこの工程です。同じ品番での施工件数、いちばん古い現場の経過年数、不具合が出たときの対応、保証の年数と免責条件。先ほどの表を見ながら聞いてみてください。答えを濁す業者には任せないでください。メーカーが責任を負わないと書いている以上、頼れるのは施工店だけです。

STEP
試し塗りで、艶と密着を自分の目で見る

クローゼットの中など目立たない場所に少量を塗って乾かします。イクタが挙げている変色や剥がれの兆候を見ると同時に、マットな質感がどう変わるかを確かめてください。昼と夜、両方の光で見ることをおすすめします。違和感が残るなら、そこで止めて構いません。

当社が見送りをすすめる場合

イクタの床で、いったん立ち止まる条件
  • 空気を洗う機能を理由に、その床を選んだ場合
  • マットな質感が気に入っていて、変わるのが嫌だと感じている場合
  • すでにワックスが塗られていて、剥離の負荷が読めない場合
  • 試し塗りで変色や剥がれの兆候が出た場合
  • 業者が下地処理で削ると言い、単板の厚みを把握していない場合

費用と、会社としてのイクタ

費用は床材ではなく、選ぶ膜と面積で決まります。当社の実績では、㎡単価がシリコンで3,000円から5,000円、ガラスで3,500円から5,500円、UVで4,500円から6,000円。3LDKの総額で19万円から42万円が目安です。持ちはシリコンで10年から20年、ガラスで15年から25年、UVで20年から30年になります。

内訳は費用の記事、種類ごとの違いはUV、ガラス、シリコン、UVとガラスの比較にまとめています。シート系の床の考え方はシートフローリングの記事が参考になります。

会社については、株式会社イクタは愛知県瀬戸市の会社で、設立は1958年12月です。事業内容は複合フローリングと床材の製造販売。日本農林規格の認定工場で、品質管理の国際規格も取得済みです。ショールームは札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の6か所にあります。

同社は自社の強みとして、無垢材の美しさと複合材の機能性を兼ね備えた複合フローリングを掲げました。小ロットで多品種に対応できる生産体制も公表されていて、住宅だけでなく保育園や介護施設での採用例も紹介されていました。人が素足で長く過ごす場所を意識して作っている会社だという印象を、当社は持っています。

その背景を踏まえると、業者選びを施主に委ねた書き方も理解しやすくなります。床を使う人の環境を大事にしている会社だから、その環境を変える施工については、決める人が納得して決めるべきだと考えている。当社はそう読んでいます。

他メーカーの扱いは、LIXIL、ノダ、永大産業、パナソニック、東洋テックス、ウッドワン、オリエント、朝日ウッドテック、住友林業クレストにまとめています。

イクタの床とフロアコーティングのよくある質問

責任は負いかねると書かれていますが、危険ということですか

危険という意味ではありません。コーティングは床材メーカーの製品ではないので、その結果に責任を持てない、という筋の通った線引きです。ただし現実的には、施工後に何かあったときの窓口が施工店だけになります。だからイクタは、業者を選ぶときに実績と信頼性を確かめてくださいと書いています。順番として、業者選びが先です。

エアー・ウォッシュの機能は、コーティングで消えますか

イクタが名指しで説明した記載を、当社は確認できませんでした。そのため消えるとは断言しません。分かっているのは、ワックスについてエアー・ウォッシュ機能が低下する恐れがあると同社が書いていること、そして光触媒が床の最表層にあって室内光で働く仕組みだということです。気になる場合は、イクタに直接お問い合わせのうえ書面で回答をもらうのが確実です。

突き上げというのは、どういう現象ですか

板と板のつなぎ目が持ち上がる現象です。木は湿気を吸うと膨らむので、逃げ場がないと上へ逃げます。イクタがトラブルの例としてこれを挙げているのは、施工時に使う水分や薬剤が原因になり得るからです。当社は洗浄の水分量を抑え、乾燥の時間を十分に取ることで防いでいます。工期を詰めた施工がいちばん危ないです。

銘木フロアーという名前で調べても出てきません

現行の製品は、銘木フロアーラスティックと銘木フロアーシルクに分かれています。単独で銘木フロアーという名前の製品ページは、当社では確認できませんでした。書類に銘木フロアーとだけある場合は、品番で照合するか、現地で実物を見て判断します。どちらも突き板0.3mmなので、施工の段取り自体は共通です。

スチームクリーナーを使っています

イクタは、スチーム洗浄機を使用すると突き上げ、ふくれ、ひび割れ、カビ、変色、白化などが生じることがあるとして、使用を控えるよう書いています。この注意はコーティングの有無にかかわらず有効です。膜があっても、継ぎ目から入った水分と熱は止められません。掃除は掃除機と乾拭き、落ちない汚れだけ固く絞った雑巾という順番が基本です。

マンションですが、遮音の等級は分かりますか

当社が公式に等級を確認できたのは、銘木フロアーラスティックの直貼りタイプだけでした。他の製品については記載を見つけられていません。管理規約で等級が定められている物件なら、引き渡しの仕様書に記載があります。直貼りの床はクッション層で音を止めるため踏むと沈み、硬い膜との相性が難しくなります。試し塗りの範囲を広めに取って判断します。

ビンテージフロアーの2mmなら、傷は削って直せますか

2mmあれば、部分的な補修の余地は残ります。ただし工場で塗られた塗装を削ることになるので、塗り直しまで含めた作業になります。簡単ではありません。イクタも樹種によっては傷が白く目立ちやすいと注記しているので、直せることを前提にしすぎないほうがいいです。膜を作るかどうかは、直す手間をどう見るかで変わります。

床暖房が入っています

イクタは厳しい試験をクリアした床暖房対応だと表記していて、施工時には接着剤の併用が必要だとも書いています。コーティングの段取りとしては、施工日の数日前から暖房を止めていただき、床が室温になじんだ状態で作業します。熱が入ったまま塗ると乾き方が不均一になり、艶にムラが出ます。冬場は日程に余裕をみてください。

まとめ|宿題を出されたのは、施主と業者です

この記事のポイント
  • イクタは床材メーカーで唯一、コーティングのための質問項目を公式に持っている
  • 禁止せず、業者の施工実績等の信頼性を確かめるよう施主に求めている
  • トラブルが起きた場合、弊社では責任を負いかねると明記されている
  • 表層の厚みが公表されている。挽き板2mm、突き板0.3mm
  • 空気を洗う機能を選んだ床では、当社は施工を勧めていない

他社の記事を書いたあとにイクタの文章を読むと、姿勢の違いがよく分かります。止めるでもなく、答えないでもなく、確かめる方法を施主に示したのはこの会社だけでした。

その分、私たち施工業者への要求は高くなります。同じ品番での実績を言えるか、古い現場を追えているか、不具合が出たときに動けるか。この質問に答えられない業者は、イクタの床では選ばれるべきではありません。当社もそう覚悟して受けています。

施主の方にお願いしたいのは、遠慮せずに聞いていただくことです。メーカーが確かめてくださいと書いているのですから、聞くのは当然の権利です。当社は現地で床材と塗装を確認し、施工しないほうがよいと判断した場合は、その理由もあわせてお伝えします。

この記事に記載したイクタの見解と製品情報は、2026年9月時点で同社の公式サイトに掲載されていた内容を確認したものです。フロアコーティングとエアー・ウォッシュ機能の関係については、名指しでの公式の記載を確認できなかったため、その旨をそのまま記載しました。一部製品の表層の厚みや遮音等級など、確認できなかった項目も同様です。製品ごとに扱いが異なる場合があり、記載も更新されることがあります。費用と持ちの年数は当社の施工実績にもとづく目安で、保証値ではありません。

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