東洋テックスのフローリングに合うフロアコーティング|床材別の相性と費用

監修者

フロアコーティングアドバイザー|執行役員
対馬 洋二

業界10年。数多くのフロアコーティングを手掛けてきました。前職はRIZAPのトレーナーとして、お客様の目標達成にコミット。その経験を活かし、売るためではなく、本当に必要なご提案を大切にしています。床材との相性や種類、ペット対応まで分かりやすくご説明します。

床が東洋テックスのダイヤモンドフロアーです。もともとツヤツヤの床なんですが、この上にフロアコーティングをしたら、もっと光るんでしょうか。というか、やる意味はありますか?

東洋テックスの床を検討するときは、他社とは逆の問いから入ります。この会社の床は、もともと艶が売りだからです。7100や7000石目は90パーセントの高艶鏡面塗装、Sakura輝やAAは70パーセントの高艶塗装。他社の記事では「コーティングで艶が出すぎる」ことを注意点として書きますが、東洋テックスの床ではその前提が変わります。

もうひとつ、この会社には知っておくべき特徴があります。主力のダイヤモンドフロアーは、表面材が特殊強化紙です。樹脂シートでも天然木でもありません。紙をベースにした素材の上に、プレミアコートという独自の塗膜が乗っています。

この記事では、シリーズの構造を整理したうえで、艶の扱いと下地処理の考え方をお話しします。月300件以上のフロアコーティングを施工している専門業者として、やる意味があるケースとないケースを分けて書きますね。

床材メーカー全体の見解を先に押さえたい方は、11社を比較した記事からご覧ください。

この記事の結論
  • 東洋テックスには大きく2つのブランドがあります。ダイヤモンドフロアーは特殊強化紙、ダイナクティブフロアーは天然銘木です
  • もともと高艶の製品が多い。90パーセント鏡面という床に艶を足す意味は薄いです
  • 艶の数字が公開されています。70パーセントなのか90パーセントなのかで判断が変わります
  • コーティングについての公式記載は確認できませんでした。判断材料は艶と表面材から読み取ることになります
目次

東洋テックスは2つのブランドで構成されています

まず全体像です。同社の床材は、名前だけ見ると似ているのですが、系統がはっきり2つに分かれています。ここを押さえると迷いません。

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ブランド表面材代表的なシリーズコーティングの観点
ダイヤモンドフロアー特殊強化紙7100、4100、7000石目、AA、Sakura輝、CanvaS、WILD、Juri、Spice the LINEBONE艶の数字を先に確認する
ダイナクティブフロアー天然銘木(突板)杢 moku、匠 takumi、匠 rustic、彩 sai、E30S、DX、JX突板なので研磨のやり直しがきかない
リフォーム用製品により異なる楽lock上張り施工。下地の状態が出る
東洋テックスの公式サイトのシリーズ一覧をもとに当社が整理したものです。仕様は品番により異なる場合があります

図面に「東洋テックス」としか書かれていないことがありますが、ダイヤモンドフロアーなのかダイナクティブフロアーなのかで、話がまったく変わります。紙と天然木ですから当然です。下地処理の方法も、選ぶべき艶も、注意する点もすべて別になります。見積もりを取るときは、必ずブランド名まで伝えてください。

杢 mokuは天然銘木のほうです

間違えやすいので先に書いておきます。杢 mokuはダイヤモンドフロアーではなく、ダイナクティブフロアーの製品です。天然銘木を使ったシリーズで、ダイナミックコートという仕上げが施されています。

同じシリーズには匠 takumiもあり、同社はこれを突板の最高峰と位置づけています。突板は表面の天然木が薄いので、下地処理で研磨するという選択肢が使えません。ダイヤモンドフロアーとは施工の考え方が変わります。

ラスティックアートという名前について

正直に書いておきます。ラスティックアートという製品名でご相談をいただくことがありますが、当社が確認した時点では、同社の現行シリーズ一覧にこの名前を見つけられませんでした。

近い名前としては、ダイナクティブフロアーの匠 rusticや、ラスティックアート ラインボーンという表記が流通しています。旧商品名か、販売店ごとの呼び方である可能性があります。図面に書かれている名前をそのまま業者に伝えて、確認してもらうのが確実です。思い込みで判断しないほうがいい部分です。

この会社の床は、艶の数字が公開されています

東洋テックスの製品説明を読んでいて気づくことがあります。艶の度合いを、パーセントで書いているのです。これは他の床材メーカーではあまり見ない書き方です。

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シリーズ同社の説明コーティングで艶を足す意味
710090パーセント高艶鏡面塗装ほぼありません
7000石目90パーセント高艶鏡面塗装ほぼありません
AA/新AA高艶70パーセント塗装薄い。保護が目的なら別
Sakura輝高艶70パーセント塗装薄い。保護が目的なら別
CanvaS/CanvaS-neoWヒーリング塗装。木肌のようなしっとりとした塗装艶を足すと設計意図が変わります
杢 moku(天然銘木)ダイナミックコート仕上げ艶を抑えた種類を選ぶ
東洋テックスの公式サイトのシリーズ説明によります。判断の欄は当社の見解です

90パーセント鏡面の床に、艶は足せません

7100や7000石目のように、すでに鏡面に近い床があります。ここに高光沢のコーティングを塗っても、見た目はほとんど変わりません。もともと光っているものが、少し光り方を変える程度です。

「せっかくやるなら一番ツヤが出るものを」というご希望をいただくことがありますが、この床では費用に見合いません。東洋テックスの高艶シリーズでコーティングを検討する理由は、艶ではなく保護です。目的をそこに置き直してください。

フロアコートアドバイザー

東洋テックスの床を見ると、正直「もう十分きれいですね」と思うことがあります。それでもご依頼いただくのは、傷や水汚れを防ぎたいという目的があるからです。見た目のためではなく、この先10年のためにやる工事だと整理していただくと、種類選びもぶれません。

CanvaSのようなマット系は、逆に注意が要ります

同じダイヤモンドフロアーでも、CanvaSシリーズは性格が違います。同社はWヒーリング塗装という名前で、木肌のようなしっとりとした塗装だと説明しています。つまり艶を抑えた設計です。

この床に高光沢のコーティングを入れると、しっとりした質感が消えます。選んだ理由そのものを打ち消すことになる。CanvaSをお使いの方は、艶を抑えた種類を選んでください。

表面が特殊強化紙であることの意味

ダイヤモンドフロアーの表面材は特殊強化紙です。同社はその上にプレミアコートという独自の塗膜を施し、傷がつきにくくしていると説明しています。

紙だから弱い、という話ではありません

紙と聞くと不安に思われるかもしれませんが、強化紙は化粧板や家具の表面にも広く使われている素材です。樹脂を含浸させて硬くしてあるので、ふつうの紙とは別物だと考えてください。カウンターやテーブルの天板にも同じ系統の素材が使われています。

むしろ強化紙には、樹脂シートにない利点があります。木目や石目の印刷再現性が高いことです。同社が原石のもつ表情を再現したと言えるのも、この素材だからです。写真で見て本物と区別がつかない床材は、たいていこの系統で作られています。

ただしコーティングの観点では、押さえておくべき点があります。削るという選択肢が、完全に使えません。樹脂シートでも削れませんが、強化紙はさらに余地がない。下地処理は薬剤で表面の油分と撥水層を落とす方法だけになります。

プレミアコートの上に塗る、という構図です

実際にコーティングが接するのは、強化紙ではなくプレミアコートの塗膜です。塗膜の上に塗膜を作る。素の木に塗るより難しい仕事だというのは、他のメーカーの床と同じです。相手が木であれば、繊維の隙間に液剤が入り込んで物理的に噛みます。塗膜にはその隙間がありません。

そして高艶の塗膜は、平滑であるほど液剤が滑ります。90パーセント鏡面の床は、見た目が美しいぶん足がかりが少ない面でもある。だからこの会社の床では、下地処理の丁寧さがそのまま結果になります。

鏡面の床のほうが、施工が難しいということですか?

フロアコートアドバイザー

手間はかかります。ただ難しいから断るということはありません。薬剤の選定と作業時間を、その床に合わせて調整するだけです。むしろ怖いのは、平滑だから楽だと思って工程を省く業者です。数年後に端から浮いてきます。

平滑な面ほど、工程を省かれやすい

もう少し踏み込みます。高艶の床は見た目がきれいなので、下地処理をしなくても塗れてしまいます。実際、塗った直後はきれいに仕上がる。問題が出るのは数年後です。

剥がれは必ず端から始まります。ドアの敷居のところ、フローリングの継ぎ目、家具の脚が当たっていた場所。力がかかる一点から浮きが出て、そこから広がっていきます。90パーセント鏡面の床はもともと美しいので、浮きが出たときのがっかり感も大きい。

見積もりを比べるときは、金額だけでなく下地処理にどれだけ時間をかけるかを聞いてみてください。同じ広さで半日と一日では、やっていることが違います。

石目柄は、艶の差がいちばん出ます

7000石目のように、石の表情を再現したシリーズがあります。同社は原石のもつ表情を再現したと説明していて、90パーセントの高艶鏡面塗装が施されています。

木目の床であれば、多少の艶ムラが出ても木目の中に紛れます。ところが石目柄は面として見えるので、ムラがそのまま出ます。塗り厚がわずかに違うだけで、光の反射が変わって見えてしまう。

この柄を施工する場合は、仕上がりのイメージを施工前にサンプルで確認させてもらってください。実際にお住まいの床の上にサンプルを置いて、明るい時間に見比べる。5分で済む確認ですが、満足度がかなり変わります。

シリーズ別の相性と、判断の基準

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シリーズ相性の良い種類慎重に考えたい種類当社の判断
7100・7000石目(90%鏡面)ガラス、シリコン高光沢のUV艶ではなく保護が目的なら意味があります
AA・Sakura輝(70%高艶)ガラス、シリコン高光沢のUV同上。艶の変化は小さいです
CanvaS系(マット寄り)マット系、シリコンUV全般、光沢のあるものしっとりした質感を残す選択を
Spice the LINEBONEガラス、シリコン高光沢のUV抗ウイルス仕様。効果は膜で覆われます
杢・匠(天然銘木)ガラス、マット系高光沢のUV突板。研磨のやり直しがきかない
楽lock(上張り)ガラス、シリコン高光沢のUV下地の状態を先に確認
当社の施工経験に基づく判断です。同じシリーズでも品番により仕様が異なるため、最終判断は密着テストで行います

抗ウイルス仕様を選んでいる場合は、先に考えてください

東洋テックスにも抗ウイルス・抗菌仕様の製品があります。Spice the LINEBONEや、天然銘木の匠 rusticがそれにあたります。

この手の機能は、床材の表面塗膜に組み込まれているものです。上に別の膜を作れば、床に触れるのはその膜になります。抗ウイルスの薬剤は消えませんが、届かなくなる。仕組みとしては他社の抗菌仕様と同じです。

抗ウイルス性能を目的に選んだのであれば、コーティングとは両立しません。どちらを取るかを先に決めてください。傷と水汚れの防止が目的なら、話は変わります。

防音フロアは、たわみを考えます

CanvaS Δ4のように、防音性能を持たせた直貼り用の製品もあります。マンションで採用されるタイプです。

防音フロアは階下への音を抑えるため、踏むとわずかに沈みます。その上に硬い塗膜を作ると、たわみと塗膜の相性を考える必要が出てきます。硬さを優先しすぎると、動きについていけません。マンションの管理規約で遮音等級が決められている物件も多いので、そちらの確認も先にしておいてください。

ダイナクティブフロアーは、突板として考えます

ここまでダイヤモンドフロアーの話を中心にしてきました。天然銘木のダイナクティブフロアーは、考え方をまるごと切り替える必要があります。

表面が天然木なら、削れる余地はありません

突板フローリングの表面にある天然木は、一般に0.3mmから0.5mm程度です。紙より少し厚い程度で、下地処理で研磨しすぎれば下の合板が出てしまいます。一度失敗すると元に戻せません。

ただ裏を返せば、薄いからこそ保護する価値もあります。天然木が摩耗して下地が出てしまうと、部分補修では済まず張り替えになる。張り替えの費用と比べれば、コーティングは安い投資です。

匠 takumiのような上位品ほど、艶は慎重に

同社は匠 takumiを突板の最高峰と位置づけています。杢 mokuも、妥協なき意匠という言葉で紹介されている製品です。どちらも木の表情を見せるために作られています。

ここに光沢の強いコーティングを入れると、木目が艶の下に沈みます。せっかくの杢や節の表情が、反射に負けてしまう。施工するなら艶を抑えた種類を選んでください。これはダイヤモンドフロアーの高艶シリーズとは、まったく逆の判断になります。

フロアコートアドバイザー

同じメーカーの床なのに、シリーズによって真逆のご提案をすることがあります。7100なら「艶は足しても変わりませんから保護目的で」、杢なら「艶を足すと木目が消えますから抑えめで」。図面を見ないとこの判断ができないので、品番の確認をお願いしているんです。

国産材マークの製品もあります

ダイナクティブフロアーのJXは、環境に配慮したベーシックな商品として国産材マークを取得しています。DXは29年の実績を持つナラ材ベースのロングセラーです。

こうした長く売られている製品は、施工実績を持つ業者も多いという利点があります。見積もりのときに「DXの施工経験はありますか」と聞いてみてください。実績があれば、下地処理の手順も液剤も決まっているので話が早く進みます。

公式のコーティングに関する記載について

ここは正直に書きます。当社が調べた範囲では、東洋テックスの一般向けサイトにフロアコーティングについての記載を見つけられませんでした。

大建工業、LIXIL、ノダは「使用しないでください」と明記しています。永大産業は製品の改造にあたるとして保証の所在を示し、朝日ウッドテックは性能が発揮されなくなると注意を促している。東洋テックスは、そのどれにも当てはまりません。記載が見つからない、というのが現時点での答えです。

記載がないことは、認めているという意味ではありません。逆に禁止しているという意味でもない。施工業者を通じてメーカーに確認してもらうのが、いちばん確実です。真面目な業者なら嫌がらずにやってくれます。断られたら、その時点で業者を変えたほうがいいかもしれません。

そのうえで、判断材料は製品説明の中にあります。艶が何パーセントなのか、抗ウイルス仕様なのか、表面材が強化紙なのか天然木なのか。同社は製品情報をきちんと公開しているので、施主が自分で読み取れる部分は多いと思います。

入居前と入居後で、費用が変わります

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種類㎡単価の目安(税込)3LDK 65〜70㎡の総額目安耐久年数の目安
UVコーティング4,500〜6,000円29〜42万円20〜30年
ガラスコーティング3,500〜5,500円22〜38万円15〜25年
シリコンコーティング3,000〜5,000円19〜35万円10〜20年
当社調べの目安です。詳しい内訳と依頼ルート別の価格差は費用の記事にまとめています

液剤の単価は床材では変わりません。東洋テックスの床で費用が動くのは、高艶の平滑な面に対する下地処理の手間と、入居後であれば既存ワックスの有無です。

同社の床はワックス不要をうたう製品が中心です。それでも入居後に市販のワックスを塗っている方はいらっしゃいます。その場合は剥離で1万円から3万円ほど加算されます。塗った製品名と回数を覚えている範囲で教えてください。状態が分かると判断が早くなります。とくに高艶の床では、ワックスが残っていると光り方が部分的に変わるので、現地で見れば分かることも多いです。隠す必要はまったくありません。

新築の入居前がいちばん条件がいいのは、他社と同じです。ワックスも生活キズもなく、家具もない。そして図面が手元にあるので、シリーズ名と艶の数字を確認できます。

シリーズ名を調べる3つの方法

STEP
竣工図書の内装仕上表を見る

床の欄に「東洋テックス ダイヤモンドフロアー 7100」のように書かれています。東洋テックスの床ではシリーズ名と型番の両方を控えてください。同じダイヤモンドフロアーでも、7100なのかCanvaSなのかで艶がまったく違います。型番はX15S、CS3S、LW03のような英数字です。

STEP
公式サイトのシリーズ一覧で照合する

東洋テックスはシリーズごとの特徴を公開しています。艶が何パーセントなのか、抗ウイルス仕様なのかまで自分で確認できるのがこの会社の良いところです。品番が分かれば、施主自身で判断材料が揃います。情報を公開していないメーカーの床材で悩んでいる方から見れば、恵まれた状況です。

STEP
艶の出方を自分の目で見る

図面がなければ、まず艶を見てください。晴れた日の昼間、窓際の床を斜めから見ます。照明や窓の形がはっきり映り込むなら鏡面に近いシリーズ、ぼんやりとしか映らないなら艶を抑えたシリーズです。次に木口を見て、天然木の層があればダイナクティブフロアー、薄い層が1枚ならダイヤモンドフロアーと当たりがつきます。

分からない状態でお問い合わせいただいて構いません。現地調査で確認しますし、それで困ることはありません。むしろ間違った品番を伝えられるほうが困るので、あいまいなら「分かりません」と言っていただくのが正解です。

東洋テックスの床とフロアコーティングのよくある質問

東洋テックスはフロアコーティングを禁止していますか?

当社が調べた範囲では、一般向けサイトにフロアコーティングについての記載を見つけられませんでした。大建工業やLIXILのように使用しないでくださいと明記しているわけでも、永大産業のように保証の所在を示しているわけでもありません。記載が見つからないというのが現時点での答えです。施工業者を通じてメーカーに確認してもらうのが確実です。

もともとツヤのある床に、コーティングする意味はありますか?

艶を目的にするなら意味は薄いです。7100や7000石目は90パーセントの高艶鏡面塗装なので、上から光沢を足してもほとんど変わりません。ただし傷や水汚れを防ぐという目的なら意味があります。東洋テックスの床でコーティングを検討する理由は、見た目ではなく保護だと整理してください。

ダイヤモンドフロアーとダイナクティブフロアーの違いは何ですか?

表面材が違います。ダイヤモンドフロアーは特殊強化紙を表面材に使い、プレミアコートという塗膜を施した製品群です。ダイナクティブフロアーは天然銘木を使ったシリーズで、杢 mokuや匠 takumiがこちらにあたります。紙と天然木なので、施工の考え方がまったく変わります。図面でどちらなのかを必ず確認してください。

表面が紙だと聞きました。コーティングして大丈夫ですか?

特殊強化紙は樹脂を含浸させた硬い素材で、化粧板や家具の表面にも広く使われています。ふつうの紙とは別物です。そのうえにプレミアコートの塗膜が乗っているので、コーティングが実際に接するのは塗膜のほうになります。ただし削るという下地処理は使えないので、薬剤で表面の油分と撥水層を落とす方法だけになります。

杢 mokuはダイヤモンドフロアーですか?

いいえ、ダイナクティブフロアーの製品です。天然銘木を使ったシリーズで、ダイナミックコートという仕上げが施されています。突板なので表面の天然木が薄く、研磨のやり直しがきかない前提で考えてください。名前が似ているので混同されやすいところです。

ラスティックアートという床材です。どのシリーズですか?

当社が確認した時点では、同社の現行シリーズ一覧にこの名前を見つけられませんでした。近い名前としてダイナクティブフロアーの匠 rusticや、ラスティックアート ラインボーンという表記が流通しています。旧商品名か販売店ごとの呼び方である可能性があります。図面の表記をそのまま業者に伝えて確認してもらってください。

抗ウイルス仕様を選びました。コーティングできますか?

施工自体はできますが、抗ウイルス性能は届かなくなります。この機能は床材の表面塗膜に組み込まれているので、上に別の膜を作れば床に触れるのはその膜になるからです。抗ウイルスを目的に選ばれたのであれば両立しません。傷と水汚れの防止が目的なら話は変わりますので、何を優先するかを先に決めてください。

防音フロアでも施工できますか?

できます。ただし防音フロアは階下への音を抑えるため踏むとわずかに沈みます。硬い塗膜を選ぶ場合は、そのたわみに追従できるかを業者と確認してください。またマンションでは管理規約で床材の遮音等級が決められていることが多いので、そちらの確認も先にしておくと安心です。

まとめ

東洋テックスの床にフロアコーティングをすべきか。この記事の答えは、目的を艶から保護に置き換えてくださいということになります。他のメーカーの記事とは、入口が違いました。

理由は同社の製品を見れば分かります。7100や7000石目は90パーセントの高艶鏡面塗装、AAやSakura輝は70パーセントの高艶塗装。もともと艶が売りの床材メーカーなのです。そこに光沢を足しても、見た目はほとんど変わりません。他社の記事では「コーティングで艶が出すぎる」ことを注意点として書くのですが、この会社では前提がひっくり返ります。

だからご相談をいただいたときは、何のためにやるのかを先に確認しています。お子さんの飲みこぼしを防ぎたいのか、ペットの爪傷が気になるのか、10年後の張り替えを避けたいのか。目的がはっきりすれば、この床でも施工する価値は十分にあります。逆に「なんとなくきれいにしたい」という動機だけなら、すでに十分きれいなので見送るという判断もあります。

そしてもうひとつ、シリーズの見極めをお願いしたいと思います。同じ東洋テックスでも、ダイヤモンドフロアーは特殊強化紙、ダイナクティブフロアーは天然銘木です。CanvaSのように艶を抑えた設計の製品もあれば、抗ウイルス仕様の製品もある。図面にシリーズ名と型番が書かれているはずなので、そこを控えてからご相談ください。同社は製品情報をきちんと公開しているので、調べれば分かることが多いメーカーです。

なお、フロアコーティングについての公式な記載は見つけられませんでした。禁止も推奨もされていないというのが現状です。当社では現地調査で床材と艶の状態を確認し、判断がつかない場合は目立たない場所で試してからご提案しています。やめておいたほうがいいと判断したときは、その理由もお伝えします。他のメーカーと比べて考えたい方は、11社の公式見解をまとめた記事からご覧ください。

この記事に記載した東洋テックスの製品情報は、2026年9月時点で同社の一般向け公式サイトに掲載されていた内容を確認したものです。施工店向けの資料までは範囲に含めていません。製品シリーズごとに仕様が異なる場合があり、記載も更新されることがあります。実際の施工前には、必ず最新の情報をご確認ください。

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