
フロアコーティングアドバイザー|執行役員
対馬 洋二
業界10年。数多くのフロアコーティングを手掛けてきました。前職はRIZAPのトレーナーとして、お客様の目標達成にコミット。その経験を活かし、売るためではなく、本当に必要なご提案を大切にしています。床材との相性や種類、ペット対応まで分かりやすくご説明します。


フロアコーティングアドバイザー|執行役員
対馬 洋二
業界10年。数多くのフロアコーティングを手掛けてきました。前職はRIZAPのトレーナーとして、お客様の目標達成にコミット。その経験を活かし、売るためではなく、本当に必要なご提案を大切にしています。床材との相性や種類、ペット対応まで分かりやすくご説明します。

桧家住宅で建てて、床は永大産業のスキスムSです。フロアコーティングを頼もうと思ってメーカーのサイトを見たんですが、コーティングのことが何も書いてなくて。やっていいのか判断がつきません。
永大産業は、フロアコーティングを「製品の改造」と位置づけています。同社のよくあるご質問には、コーティングの種類や施工方法は業者によって異なり自社では検証していないため可否は答えられない、そして塗装性能と製品保証はコーティング業者の責任になると書かれています。禁止でも推奨でもなく、責任の所在を移す書き方です。さらに1製品だけ、名指しでワックスを禁止しているものがあります。ヤマダホームズの標準床材であるパートナーワンです。
永大産業は大阪に本社を置く木質建材メーカーです。建売住宅から注文住宅まで採用例が広く、桧家住宅のスキスムS、タマホームのアトムフィット、ヤマダホームズのパートナーワンなど、名前を聞いたことがある方も多いと思います。
この記事では、同社が公式に書いていることをそのまま示したうえで、14製品を4つのグループに分けて整理します。そのうえで、どの塗装にどのコーティングが合うのかまでお話しします。月300件以上のフロアコーティングを施工している専門業者の立場で書いていきますね。
床材メーカー全体の見解を先に押さえたい方は、11社を比較した記事からご覧ください。


まず公式の記載を確認します。同社のよくあるご質問に「コーティングを使用してもよろしいですか?」という項目があり、回答はこうです。コーティングの種類や施工方法は業者によって異なり、永大産業では検証を行っていない。したがって使用の可否については答えられない。そしてコーティングは製品の改造にあたるため、塗装性能および製品保証はコーティング業者の責任となる。
この書き方は、他のメーカーと性格が違います。大建工業とLIXILは「使用しないでください」と禁止しています。朝日ウッドテックは性能が発揮されなくなると注意を促しています。永大産業は禁止も注意もせず、責任の所在だけをはっきりさせている。判断は施主と業者に委ねる、という立場です。
同社のフローリング選びのページには、ワックスフリーについてこう書かれています。
ワックスがけは必要ありません。ワックスがけを行うと製品本来の性能、性質が損なわれます。
永大産業 フローリング選びのポイント
さらに、やむを得ず使う場合の条件も示されています。
ワックスは「ユカメイク」もしくは(株)リンレイ製「ハイテクフローリングコート」に限ります。
永大産業 フローリング選びのポイント
読み方はこうです。永大産業は、床の上に何かを塗ること自体を禁じているわけではありません。自社で相性を確認できた2製品だけを通している。それ以外は検証していないので責任を持てない、という一貫した姿勢です。
フロアコーティングも同じ理屈です。業者ごとに液剤も工法も違うので、同社がひとつひとつ検証してリストに載せることは現実的ではありません。だから「答えられない」になる。反対しているのではなく、検証の対象にできないのです。そのうえで保証の線を引いている。メーカーとしては筋の通った整理だと思います。
同社はフローリングのワックス対応一覧を公開しています。製品ごとにワックスの可否を示した表で、ここに例外がありました。
| 製品 | 表面の仕様 | ワックスの扱い |
|---|---|---|
| パートナーワン | Nグリップフィルム | ワックス禁止 |
| スキスムSフロア | 複数の塗装に対応 | ワックス不要 |
| スキスムTフロア | 特殊化粧シート | ワックス不要 |
| コンカーボ | 特殊化粧シート | ワックス不要 |
| 銘樹シリーズ | クリアリッチ塗装 | ワックス不要 |
| 銘樹ダイレクト | スタンダード塗装 | ワックス対応 |
パートナーワンのNグリップフィルムは、滑りにくさを出すための表面フィルムです。そこにワックスを塗れば、フィルムが担っている防滑性能が上から覆われて働かなくなる。だから禁止になっています。理屈としては明快です。



この考え方は、そのままフロアコーティングにも当てはまります。防滑のために作られた表面に膜を作れば、防滑性能はコーティングの膜の性能になります。ヤマダホームズで建てた方から「滑りにくい床だと聞いている」とお伺いすることがありますが、その場合は滑りにくさを維持できる種類を選ぶところから話を始めています。
ヤマダホームズの床については、会社別の記事でも詳しく書いています。


永大産業の床材は名前が似ていて、しかも枝番が多いので混乱しやすいです。コーティングの観点で見ると、4つに分けると整理できます。
| グループ | 製品 | 表面材 | 施工で注意すること |
|---|---|---|---|
| ① 特殊化粧シート系 | スキスムSフロア、スキスムTフロア、コンカーボ、エコメッセージ、エコメッセージSフロア、マテルノダイレクト | 化粧シート | 撥水と防汚の加工を落とす下地処理が要になる |
| ② アトム系(水回りに強い) | アトムフィット、アトムジェニック、リアルフィニッシュアトム、リアルグレインアトム | 特殊シート | 石目柄や水回り向けが多い。艶の出方に差が出やすい |
| ③ 天然木の銘樹シリーズ | 銘樹、フィールグレインフロア | 天然木の突板 | 表面が薄い。研磨のやり直しがきかない |
| ④ 基材技術のタフトップ系 | タフトップA、タフトップS | 製品により異なる | タフトップは基材の名前。表面材は品番で確認する |
いちばん採用数が多いのがスキスムSフロアです。桧家住宅やホームランドの標準仕様で見かけます。
注意したいのは、スキスムSは品番によって表面塗装が違うという点です。公式のワックス対応一覧でも、スキスムSフロアの欄は複数の塗装に分かれています。品番を見ないと、どの塗装なのか分かりません。
塗装が違えば、下地処理で落とすものも変わります。「スキスムSです」だけでは業者は判断できません。図面にある品番まで伝えてください。


アトムフィット、リアルフィニッシュアトムなどのアトム系は、水がかかる場所に向けて作られた製品群です。石目柄のものもあり、洗面所やトイレで採用されます。タマホームやルーク・リアルエステートの物件で見かけます。
この系統で気をつけたいのは艶です。石目調の床に高光沢のコーティングを入れると、床だけ浮いて見えます。もともと表面に作り込まれた質感があるので、そこを消さない種類を選んでください。


永大産業はシート系のイメージが強いのですが、銘樹シリーズは天然木の突板です。ヘリンボーンやパーケットといった張り方のバリエーションもあります。表面はクリアリッチ塗装で、ワックス不要です。
突板は表面の天然木が0.3mmから0.5mm程度しかありません。下地処理で削るという選択肢が使えない厚みです。シート系と同じ感覚で研磨すると、下の合板が出てしまいます。
なお銘樹ダイレクトだけは、公式の一覧でワックス対応となっています。同じ銘樹でも枝番で扱いが変わるので、ここでも品番の確認が要ります。
タフトップAやタフトップSという名前を図面で見かけることがあります。これは傷やへこみに強い基材の技術名で、アトムフィットGMなどの製品にも使われています。
つまりタフトップと書かれていても、表面材がシートなのか天然木なのかは分かりません。基材の話と表面材の話が混ざっているので、ここは業者に丸投げせず、品番を控えておくのが確実です。
ここが永大産業の床でいちばん実務的な話になります。同社は表面塗装に固有の名前を付けていて、製品名より塗装名のほうが施工の判断に効きます。
| 塗装の名前 | 性格 | コーティングで気をつけること |
|---|---|---|
| クリスタル塗装 | 艶があり平滑 | もともと光沢がある。さらに艶を足すと過剰になりやすい |
| フラット塗装 | 落ち着いた仕上がり | 艶を抑えた種類で質感を守る |
| ナチュラルハード塗装 | 硬さを持たせた仕上げ | 密着のための足がかりを作る処理が要 |
| マイクロベール塗装 | 微細な凹凸のある仕上げ | 凹凸に液剤が溜まらないよう塗り厚の管理が要 |
| Nグリップフィルム | 防滑のためのフィルム | 公式ではワックス禁止。防滑性能を消さない種類を選ぶ |
図面の床の欄には、製品名と品番の両方が書かれていることがほとんどです。品番から塗装が特定できると、業者側は下地処理の手順を先に決められます。見積もりの精度が上がりますし、当日の作業も早く終わります。
ここまで「品番で塗装を特定してください」と繰り返してきました。なぜそこまで塗装にこだわるのか、理由を説明しておきます。永大産業の床でコーティングが失敗するとしたら、原因はほぼここだからです。
ワックス不要をうたう床材には、汚れや水をはじく加工が施されています。だからこそ拭き掃除だけで済む。ただしその性質は、コーティング剤に対しても同じように働きます。水をはじく面は塗料もはじく。そのまま塗れば、膜は床に乗っているだけの状態になります。
乗っているだけの膜は、しばらくは問題なく見えます。異変が出るのは数年後です。歩行の多い動線から浮きが出て、端から剥がれてくる。この段階になると部分補修では収まりません。



施工から3年ほど経ったお宅で、リビングの入口だけ塗膜が浮いているのを見たことがあります。他の部屋は問題なし。下地処理の工程が、その部屋だけ甘かったのだと思います。人が通る場所から先に出るので、原因がはっきり分かってしまうんです。
無垢材であれば、表面を薄く研磨して新しい木肌を出せば足がかりができます。ところが永大産業の主力である特殊化粧シート系では、この方法が使えません。表面のシートは削れるほどの厚みがないからです。
そこで実際にやるのは、専用の薬剤で表面の撥水層と油分を落とす作業です。削るのではなく、化学的に足がかりを作る。この薬剤の選定が、塗装の種類によって変わります。クリスタル塗装とマイクロベール塗装では表面の性質が違うので、同じ薬剤では同じ結果になりません。
もう一段、細かい話をします。マイクロベール塗装は表面に微細な凹凸がある仕上げです。手触りがさらっとして、指紋が目立ちにくい。良い塗装なのですが、コーティングの観点では注意が要ります。
凹凸のある面に液剤を塗ると、くぼみに液剤が溜まって、そこだけ膜が厚くなります。厚みが不均一だと、硬化のムラや艶のムラとして表に出ます。塗り厚の管理と、余分を引き取る工程が必要になる。平滑なクリスタル塗装とは作業そのものが違います。
品番から塗装が特定できても、実物が図面どおりとは限りません。入居後であれば、過去に何かを塗っている可能性もあります。そこで当社は、判断がつかない床では目立たない場所に試し塗りをして、硬化と密着を確認してから本施工に入ります。
クローゼットの中や、家具を置く予定の場所を使わせてもらうことが多いです。半日から一日いただければ結果が出ます。この工程を省く業者は、塗装の違いを見ていないということです。



密着テストって追加料金がかかるんですか?



当社では見積もりの範囲でやっています。テストの結果、施工しないほうがいいと判断した場合も費用はいただきません。ここで無理に進めても、数年後にご不満をいただくだけですから。品番が分かっていて実績のある床材なら、テストを省くこともあります。
施工品質が持ちにどう効くかは、耐久年数の記事で詳しく書いています。仕上がりの8割は下地で決まる、というのは誇張ではありません。


図面が手元にない方のために、当社が施工と取材で確認してきた採用例をまとめました。建てた会社が分かれば、床材の当たりがつきます。
| 建てた会社 | 採用例のある永大産業の床材 |
|---|---|
| 桧家住宅 | スキスムS |
| ヤマダホームズ | パートナーワン |
| タマホーム | アトムフィット |
| ホームランド | スキスムSフロア、銘樹、コンカーボ |
| ルーク・リアルエステート | アトムフィット、リアルフィニッシュアトム |
| イーカム | グレードにより採用 |
| サンプラン | グレードにより採用 |
並べると傾向が見えます。永大産業は建売と注文住宅の両方で使われていて、グレードによって製品が入れ替わります。大建工業が建売寄り、朝日ウッドテックが注文住宅寄りとはっきり分かれているのに対して、永大産業はその両方にまたがっているのが特徴です。同じ会社でも部屋ごとに床材が違うケースもあり、ホームランドの物件では1軒で3種類が使われていた例もありました。


ルーク・リアルエステートの物件では、表面の傷が消せない床材が使われていた例もあります。こちらも確認しておくと判断が早くなります。


| グループ | 相性の良い種類 | 慎重に考えたい種類 | いちばんの注意点 |
|---|---|---|---|
| 特殊化粧シート系 | ガラス、シリコン | 高光沢のUV | 撥水と防汚の加工を落とす下地処理 |
| アトム系 | ガラス、シリコン | 高光沢のUV | 石目柄の質感を消さない艶の選択 |
| 銘樹シリーズ(突板) | ガラス、マット系 | 高光沢のUV | 表面0.3mm前後。研磨のやり直しがきかない |
| パートナーワン | 防滑性を維持できる種類 | 硬く平滑な塗膜全般 | 公式でワックス禁止。防滑が消える前提で考える |
種類そのものの中身を知りたい方は、それぞれの記事をご覧ください。艶を抑えたい方はマット仕上げから確認するのが早いです。




永大産業の床は、品番さえ分かれば判断がほぼ決まります。上から順に確実です。
引き渡しのときに渡された図面一式の中に、内装仕上表があります。床の欄に「永大産業 スキスムSフロア SA3」のように、製品名と品番が書かれていることがほとんどです。品番の英数字まで控えてください。そこから塗装が特定できます。
永大産業はフローリングのワックス対応一覧を公開しています。品番が分かれば、表面の仕様とワックスの可否を自分で確認できます。ここで「ワックス禁止」と出たら、コーティングも慎重に考えるという判断材料になります。
図面が見当たらなければ、建てた会社か売主に問い合わせます。それも難しい場合は現物で判断します。押入れの入口や階段の段鼻など、板の切り口が見える場所を探してください。断面に木の層が続いていれば銘樹系、薄い層が1枚だけならシート系です。シートは印刷なので、離れて見ると同じ木目が繰り返します。
分からない状態でお問い合わせいただいて構いません。現地調査で確認しますし、それで困る業者はいません。
永大産業の床材だから高い、安いということはありません。液剤の単価は床材では変わらないからです。変わるのは下地処理にかかる手間のほうで、それを大きく左右するのが施工のタイミングです。
| 種類 | ㎡単価の目安(税込) | 3LDK 65〜70㎡の総額目安 | 耐久年数の目安 |
|---|---|---|---|
| UVコーティング | 4,500〜6,000円 | 29〜42万円 | 20〜30年 |
| ガラスコーティング | 3,500〜5,500円 | 22〜38万円 | 15〜25年 |
| シリコンコーティング | 3,000〜5,000円 | 19〜35万円 | 10〜20年 |
引き渡し直後の床には、ワックスも生活キズもありません。家具もないので養生の手間が少なく、部屋を分けて施工する必要もない。下地処理が最小で済むので、費用も仕上がりも有利になります。
永大産業の床に限って言えば、もうひとつ利点があります。入居前なら図面が手元にあることがほとんどだという点です。品番がすぐ確認できるので、塗装を特定したうえで液剤を決められます。入居から何年も経つと、図面がどこにあるか分からなくなる方が多いんです。
入居後の施工で費用が動くのは、ほぼ剥離の有無です。過去にワックスをかけている床では、それを落とす工程が加わって1万円から3万円ほど加算されます。
ここで永大産業の床ならではの注意点があります。同社が認めているワックスは「ユカメイク」とリンレイ製「ハイテクフローリングコート」の2つだけです。それ以外の市販ワックスを塗っていた場合、床材との相性がそもそも検証されていません。剥離してみたら表面が傷んでいた、ということが起こり得ます。心当たりがある方は、現地調査のときに正直に伝えてください。隠されるといちばん困ります。



「市販のワックスを何度か塗ってしまったんですが」とご相談いただくことは珍しくありません。責めるつもりはまったくないので、正直に言っていただけると助かります。状態を見て、剥離できるのか、そのままのほうがいいのかを判断します。無理に剥がすと床を傷めることもあるので、そこも含めてご提案しています。
禁止していません。同社のよくあるご質問では、コーティングの種類や施工方法は業者によって異なり自社では検証していないため、使用の可否については答えられないとしています。そのうえでコーティングは製品の改造にあたるため、塗装性能と製品保証はコーティング業者の責任になると明記しています。大建工業やLIXILのように使用しないでくださいと書いているわけではありません。ただし保証の線は引かれているので、そこを理解したうえで判断してください。
できます。ただしスキスムSは品番によって表面塗装が違うため、品番まで確認する必要があります。塗装が違えば下地処理で落とすものも変わります。図面の床の欄にある英数字まで業者に伝えてください。それだけで見積もりの精度が変わります。
公式に禁止されているのはワックスです。理由は表面のNグリップフィルムが防滑性能を担っているためで、上に膜を作ると働かなくなるからです。この理屈はコーティングにもそのまま当てはまります。施工自体はできますが、防滑性能は失われる前提で考えてください。滑りにくさを維持したい場合は、防滑性を持つ種類を選ぶところから相談が必要です。
傷やへこみに強い基材の技術名です。製品名ではありません。タフトップと書かれていても、表面材がシートなのか天然木なのかは分からないので、品番で確認してください。基材の話と表面材の話が混ざりやすいところです。
天然木の突板です。ヘリンボーンやパーケットなど張り方のバリエーションがあり、表面はクリアリッチ塗装でワックス不要とされています。ただし銘樹ダイレクトだけは公式の一覧でワックス対応となっているので、同じ銘樹でも枝番で扱いが変わります。突板は表面の天然木が0.3mm前後しかないため、研磨のやり直しがきかない前提で考えてください。
ワックスフリーは「ワックスを塗らなくてよい」という意味であって、「傷や水から守られている」という意味ではありません。特にシート系は表面が薄く、摩耗すると下の印刷層が出てしまいます。長く住む予定でお子さんやペットがいるご家庭なら保護する価値はあります。必須ではありません。
対象外になります。同社は「コーティングは製品の改造にあたるため、塗装性能および製品保証はコーティング業者の責任となる」と明記しています。曖昧さがありません。ただし床材のメーカー保証の多くは製造上の欠陥に対するもので、生活キズや汚れは元から対象外です。失うものと得るものを比べて判断してください。施工業者側の保証内容を確認しておくことも大切になります。
液剤の単価は床材では変わりません。永大産業の製品は塗装名が公開されているので、品番が分かれば密着テストの手間は少なく済みます。費用が動くのは、入居後で過去にワックスをかけている場合の剥離で、1万円から3万円ほど加算されます。新築の入居前がもっとも条件のいいタイミングです。


永大産業の床にフロアコーティングができるのか。公式サイトを確認して分かったのは、メーカーは可否を答えないという立場だということです。推奨も禁止もしない。そのかわり、コーティングは製品の改造にあたるから保証は施工業者に移る、とはっきり書いている。判断も責任も、施主と業者の側にあります。
冷たい対応に見えるかもしれませんが、私はむしろ誠実だと思っています。同社はワックスについても「使うなら2製品に限る」と条件を示していて、自社で検証できたものだけを通すという姿勢が一貫しています。コーティングは業者ごとに液剤も工法も違うので、検証しようがない。だから可否を答えない。答えられないことを答えないと書けるメーカーは、実はそう多くありません。そのうえで保証の線を引いているので、施主は何を失うのかを正確に把握できます。
そのうえで、この記事でいちばんお伝えしたかったのは品番の話です。永大産業の床は、同じスキスムSという名前でも品番によって表面塗装が違います。クリスタル塗装なのかナチュラルハード塗装なのかで、下地処理の手順が変わる。パートナーワンのように、公式にワックス禁止と明記されている製品もあります。製品名だけで判断できる床材ではないのです。
だから最初にやってほしいのは、竣工図書を探すことです。床の欄に書かれた英数字を控えておく。それだけで、業者は下地処理の手順と液剤を先に決められます。見積もりの精度が上がり、当日の作業も早く終わります。図面が見つからなければ、建てた会社に電話して品番を聞いてください。こちらから「フロアコーティングを検討しているので」と伝えれば、たいていは教えてもらえます。
もちろん、分からない状態でご相談いただいても構いません。当社では現地調査のときに床材を確認し、塗装の特定が難しい場合は目立たない場所で密着テストを行ってからご提案しています。施工しないほうがいいと判断したときは、その理由もお伝えします。銘樹シリーズのように天然木の質感で選ばれた床では、水回りだけご提案することもあります。全面かゼロかの二択にしないほうが、結果的にご満足いただけることが多いからです。
他のメーカーの床材と比べて考えたい方は、11社の公式見解をまとめた記事からご覧ください。永大産業がどういう位置にいるのかが分かります。


この記事に記載した永大産業の見解と製品情報は、2026年9月時点で同社の一般向け公式サイトに掲載されていた内容を確認したものです。施工店向けの資料までは範囲に含めていません。製品シリーズごとに扱いが異なる場合があり、記載も更新されることがあります。実際の施工前には、必ず最新の情報をご確認ください。