
フロアコーティングアドバイザー|執行役員
対馬 洋二
業界10年。数多くのフロアコーティングを手掛けてきました。前職はRIZAPのトレーナーとして、お客様の目標達成にコミット。その経験を活かし、売るためではなく、本当に必要なご提案を大切にしています。床材との相性や種類、ペット対応まで分かりやすくご説明します。


フロアコーティングアドバイザー|執行役員
対馬 洋二
業界10年。数多くのフロアコーティングを手掛けてきました。前職はRIZAPのトレーナーとして、お客様の目標達成にコミット。その経験を活かし、売るためではなく、本当に必要なご提案を大切にしています。床材との相性や種類、ペット対応まで分かりやすくご説明します。

床がベリッシュだと言われました。住友林業クレストの製品らしいのですが、木の種類の名前が並んでいて、結局これが何なのかよくわかりません。フロアコーティングはできますか。
ベリッシュはシートフロアです。住友林業クレストの公式サイトで、オリジナルシートフロアとはっきり書かれています。オークやウォルナットといった名前が並んでいますが、それは木の種類ではなく柄の名前です。
ここを取り違えたまま話を進めると、業者の説明も見積もりも噛み合わなくなります。天然木の床とシートの床では、塗料の乗り方がまったく違うからです。まず、ご自宅の床がシートだという前提を共有してください。
月300件以上のフロアコーティングを施工している専門業者として、ベリッシュという床の正体と、シートにコーティングをするときに何が起きるのかを整理しました。


住友林業クレストの公式サイトを見ると、ベリッシュという言葉は2つの場所に出てきます。
| 名前 | 公式での位置づけ | 中身 |
|---|---|---|
| ベリッシュ シストS | 床材カテゴリの製品 | オリジナルシートフロア。床そのものです |
| ベリッシュCC(BeRiche CC) | 内装建材の製品シリーズ | 床・建具などをまとめてコーディネートするシリーズです |
住友林業クレストはベリッシュCCについて、床・建具などの製品シリーズですと説明しています。つまり床だけの名前ではなく、ドアや収納まで含めた色柄のシリーズ名です。
床として実際に施工されているのは、ベリッシュ シストSです。ベリッシュと呼ばれている床の中身は、ほとんどの場合これだと考えていいです。
混乱のもとがここにあります。公式のカラーバリエーションを並べると、こうなっています。
| 柄の名前 | 公式の説明から | 品番 |
|---|---|---|
| HD オークホワイト柄 | 北アメリカのホワイトオークの柔らかさと渋さをベースに | シストS-J |
| SD サクラ柄 | 日本のサクラをベースに照りを取り入れ、透明感を感じるデザインに | シストS-J |
| KD カバ柄 | 斧折れカバをベースに。芯部分の赤味から周辺の白さへのグラデーション | シストS-J |
| GD グレイクリ柄 | 日本の栗の渋さを神代のように熟成させベースに | シストS-J |
| ND ナット柄 | 北米のブラックウォルナットをベースに。色変化が豊かです | シストS-J |
| AD オーク柄 | 北アメリカ産のオーク材をベースに | シストS-F |
| TS オークグレー柄 | 調色加工を施したオーク材をベースに。グレーを重ねています | シストS-F |
| JC ウォルナット柄 | ノーチェと呼ばれるヨーロッパ産のウォルナットをベースに | シストS-F |
出典 住友林業クレスト ベリッシュ シストSのカラーバリエーション。このほかスギ柄とアラベスカート柄も掲載されています
すべて柄の名前に樹種名が入っています。オークホワイト柄、ウォルナット柄というのは、その木を使っているという意味ではなく、その木をモチーフにしたデザインという意味です。公式も、ベースにしていますという言い方で統一しています。



ウォルナット柄だからウォルナットの床だと思われている方は多いです。悪意のある表記ではないのですが、誤解は生まれやすいと思います。


カラーバリエーションの最後に、スギ柄とアラベスカート柄という2つが並んでいます。どちらもシストS-Jです。
スギ柄は和の空間に合わせやすい柄です。本物の杉はやわらかくて傷がつきやすい木なので、シートで杉の表情を再現するというのは、実用面から見るとよくできた発想だと思います。本物の杉板ならへこみを覚悟して使うところを、シートなら見た目だけ借りられます。
アラベスカート柄は、木目ではなく石の柄です。名前はイタリア産の大理石に由来するもので、白地に灰色の脈が走る模様が特徴です。木目の床とは、コーティングの見え方がまったく変わります。石柄は明るく平坦なので、艶が出ると光の反射がそのまま目に入ります。木目のような陰影がないぶん、ムラも目立ちます。
この2つの柄を選んでいる場合は、木目の柄で撮ったサンプル写真を見ても参考になりません。必ずご自宅の床で試してから決めてください。
仕様書が手元になくても、見分ける方法があります。道具は要りません。
本物の木は1枚として同じ木目がありません。シートは印刷なので、何枚かに1枚、まったく同じ模様が現れます。同じ節が同じ位置にある板を見つけたら、シートです。
ドアの下や押し入れの入口など、板の断面が見える場所があります。表面に薄い層があって、その下が木目のない基材であればシートです。
シストS-JかシストS-Fという表記があれば、ベリッシュ シストSです。確実に知りたい場合は、施工会社に品番を問い合わせてください。
1番目の方法がいちばん簡単です。しゃがんで、少し離れた板どうしを見比べるだけで済みます。3分あれば判断できます。
ベリッシュ シストSには、基材の違う2つのタイプがあります。住友林業クレストの説明を並べると、狙いがはっきり分かれています。
| 品番 | 公式の位置づけ | 基材 |
|---|---|---|
| シストS-J | 国産材活用フロア | 北海道産のトドマツを使用した合板 |
| シストS-F | 環境配慮型フロア | 成長サイクルが早く、計画的に植林・伐採管理を行うファルカタ材 |
S-Jは国内林業を活性化させ、日本の森を美しく保つためにと説明されています。S-FはCO2削減に寄与する木材だとされています。どちらも環境が動機になっていますが、素材そのものが違います。
ファルカタは非常に軽くやわらかい木で、トドマツはそれより硬めです。表面の仕上げは同じ考え方なのでコーティングの判断が大きく変わることはありませんが、重いものを落としたときのへこみ方には差が出る可能性があります。ご自宅がどちらかは、柄の記号で判別できます。HD、SD、KD、GD、NDはS-J、AD、TS、JCはS-Fです。
念のために書いておきます。シートフロアは天然木より格下、という考え方は正確ではありません。
住友林業クレストはベリッシュについて、環境・機能・インテリア性を併せ持つオリジナルシートフロアと説明していて、仕様欄には抗菌、耐クラック、擦り傷対応、キャスター対応、ペット対応(傷・汚)、ワックス不要、床暖房という項目が並んでいます。天然木の床では、ここまで並びません。
とくにペット対応と書ける床材は多くありません。傷と汚れの両方に対応しているという意味で、犬や猫と暮らす家では合理的な選択です。天然木より劣るのではなく、狙っているものが違うと考えてください。


ここが、この記事でいちばん重要な部分です。住友林業クレストは、ベリッシュのワックスについてこう書いています。
汚れの付着しにくい仕上げになっていますので、ワックスは不要です。※ワックスの種類、塗布条件により密着不良を生じる場合があります。
住友林業クレスト ベリッシュ シストS ワックス不要の項
ワックスは不要です、で終わっていません。密着不良を生じる場合がありますと続いています。つまり、塗ってもくっつかないことがある、と書いてあるわけです。
ベリッシュの表面には、EBコーティングという処理がされています。住友林業クレストは、これをウレタンやUVコーティングに比べ、耐擦傷性や耐汚染性などの実用性、品質安定性に優れていますと説明しています。
EBは電子線のことで、電子のビームを当てて塗料を硬化させる技術です。UVが紫外線で固めるのに対し、EBは電子線を使います。硬化の度合いが高く、工場の設備でなければできない処理です。
つまりベリッシュは、すでに硬い膜がかかった状態で出荷されているということです。その上にさらに膜を重ねるのがフロアコーティングになります。無意味とは言いませんが、何が良くなるのかを具体的に説明できない業者の話は、聞き流して構いません。
密着不良が起きる理由は、表面の素材にあります。公式の仕様欄には、強化フィルム(オレフィン)と書かれています。
オレフィンというのはポリプロピレンなどの樹脂の総称で、表面エネルギーが低い素材です。専門的な言い方になりますが、要は塗料をはじきやすい性質を持っています。同じ理由で、シールも貼りつきにくいです。
この上にコーティングを塗る場合、塗料の側で対応が必要になります。当社では、シートの床には専用のプライマーを使い、必ず事前に密着テストをします。テストをせずに塗れば、数か月で剥がれることがあります。これは脅しではなく、実際に他社施工の剥がれをご相談いただくことがあるからです。



シートでもコーティングできますと言われたのですが、それは嘘ではないんですね。



嘘ではありません。できる場合があります。ただ、必ずできるわけでもありません。できるかどうかは、その床で試してみないとわからない。そう説明する業者かどうかが、判断の分かれ目です。
シートだから塗れない、ということはありません。当社にはシートフローリングへの施工実績があります。
埼玉県さいたま市中央区、アーネストワンの新築戸建てです。採用されていたのはオリエントのエポルカフロアというシートフローリングでした。シートでもガラスコーティングは施工できます。ただし床材の仕様や品番によって施工方法が変わるので、実際の床材と表面の状態を確認したうえで進めました。防カビコーティングもあわせて施工しています。








この施工事例の詳細を見る(埼玉県さいたま市中央区・2026-09-18公開)
大事なのは、実際の床材と表面状態を確認してから施工方法を決めることです。ベリッシュも同じで、強化フィルムの状態を見てから薬剤を選びます。


ベリッシュの仕様欄には、聞き慣れない言葉がいくつか並んでいます。コーティングを考えるうえで意味が変わる項目があるので、順に見ていきます。
クラックというのは、表面に入る細かいひび割れのことです。ベリッシュの場合、住友林業クレストは仕様の説明で、強化フィルム+ハードベース(MDF)のダブル効果と書いています。上からの衝撃をフィルムで受け、下の硬い芯材で支える構造です。
この構造は、床暖房のある家でとくに効いてきます。公式も、強化フィルムとハードベース(MDF)の採用により温度、湿度の変化に強く、ひび割れが起きにくくなっていますと説明しています。
ただし、床の表面にコーティングをのせると、その膜には耐クラックの仕組みがありません。床は割れなくても、膜が割れることがあります。床暖房がある場合は、やわらかい膜のものを選ぶ理由がここにあります。
ベリッシュの仕様欄には、抗菌という項目があります。天然木の床材ではあまり見かけない表記です。表面がフィルムであることを生かした機能だと考えられます。
ここで気をつけたいのは、コーティングをすると、この抗菌の層が膜で覆われるということです。抗菌機能は表面に触れることで働くので、上から別の膜をのせれば、その機能は働かなくなります。
小さなお子さんがいるご家庭で、衛生面を重視してベリッシュを選んだのであれば、この点は知っておいてください。抗菌を目的に床材を選んだのに、コーティングでその機能を覆ってしまうのは、ちぐはぐな話になります。当社に相談をいただいたときは、この説明を必ずしています。
キャスター対応について、住友林業クレストはこう説明しています。ハードベース(MDF)を基材に使用していますので、キャスター付きの家具や椅子を動かした時の傷やへこみが目立たない耐キャスター仕様です。
注目したいのは、この対策が表面ではなく基材で実現されていることです。キャスターの傷は、上から押されて床がへこむことで生まれます。だから硬い芯材で受け止める。理にかなっています。
逆にいえば、コーティングではへこみは防げません。膜は薄いので、強い力がかかれば床ごとへこみます。デスクチェアのキャスター傷を心配してコーティングを検討している方がいたら、期待する効果は得られないとお伝えします。コーティングが効くのは、すり傷とひっかき傷と汚れの染み込みです。へこみには効きません。
もうひとつ、公式が挙げている性能に静圧荷重傷に強いという項目があります。子供が椅子をガタつかせたり、椅子に座って後ろに傾いた場合でも、凹み傷が目立ちにくく、安心して使えますという説明です。家具を置きっぱなしにしたときの跡や、長時間の一点集中の荷重を想定した項目だと読めます。ここまで生活の場面を具体的に想定して書いている床材は、そう多くありません。
なお公式にも、傷やへこみが生じないわけではありません、キャスターの種類、使用状況によりその差が生じますという注記が添えられています。対応しているというのは、まったく傷がつかないという意味ではありません。
ベリッシュCCは、床だけの話ではありません。住友林業クレストは、BeRiche CCについて床・建具などの製品シリーズですと説明していて、同じ柄でドアや収納まで揃えられるようになっています。
公式の説明では、1柄1柄へ色変化や艶変化、手触りを豊かに持たせることによって、幅広く自由な組み合わせを楽しむことができますとされています。艶まで含めて設計されたシリーズだということです。
ここが見落とされやすい点です。床にコーティングをすると、床の艶だけが上がります。ドアや収納の艶は変わりません。
同じ柄で揃えていた場合、この差が出ます。壁際で床とドア枠が接している場所を見ると、同じ色のはずなのに質感が違って見える、という状態になります。揃えるために選んだシリーズで、揃わなくなるわけです。
この点は、施工前に必ずお伝えしています。艶消しの塗料を選べば差は小さくなりますが、ゼロにはなりません。ベリッシュCCで空間全体を組んでいる方は、サンプルを建具のそばに置いて見比べてから決めてください。


ここまで読むと、やらないほうがいいように見えるかもしれません。傷や汚れの対策だけが目的であれば、たしかに急ぐ必要はありません。ベリッシュはもともと擦り傷対応、キャスター対応、ペット対応(傷・汚)と書かれている床だからです。ただし、施工できないという話ではありません。当社にはシートフローリングへの施工実績があります。
それでも、ご相談をお受けする場合があります。目的が別のところにあるときです。
| ご相談の目的 | 当社の対応 | 理由 |
|---|---|---|
| 犬や猫が滑る | お受けします | ペット対応は傷と汚れの話で、滑りとは別です |
| 艶を落ち着かせたい | サンプル確認のうえで | 建具との差が出るため、見比べてから決めます |
| 傷がつきにくくしたい | 見送りをおすすめします | すでに対策が入っています |
| 汚れを防ぎたい | 見送りをおすすめします | 汚れの付着しにくい仕上げと公式に書かれています |
ペット対応(傷・汚)という表記は、ペットがつける傷と汚れに対応しているという意味です。犬が走って滑るかどうかは、この表記の対象ではありません。
シートフロアは表面が平滑なので、犬の肉球では滑りやすい傾向があります。体重のある犬や、胴が長く腰に負担がかかりやすい犬種では、対策を考える価値があります。傷対策と滑り対策は、まったく別の工事です。混同している業者がいたら、説明を求めてください。
なお、対策はコーティングだけではありません。部分的にマットを敷く方法もありますし、爪と足裏の毛を短く保つだけでも変わります。費用対効果で考えると、まずそこからという選択も十分にあります。
| 種類 | 30㎡の目安 | ベリッシュでの相性 |
|---|---|---|
| ペット用の防滑コーティング | 18万円前後から | 目的がはっきりしていれば適します |
| シリコン | 15万円前後から | テスト次第です |
| ガラス | 18万円前後から | オレフィンとの相性を要確認 |
| 密着テストのみ | 無料 | まずこれをやってください |
シートの床では、どの種類を選ぶかより密着するかどうかのほうが先です。テストで結果が出なければ、当社はお断りします。塗れない床に無理やり塗って、あとで剥がれるほうが困るからです。


コーティングをしない場合、手入れの仕方が床の寿命を決めます。住友林業クレストのメンテナンスガイドには、はっきり避けるよう書かれている方法があります。
スチーム洗浄機を使用すると、熱や水分により、フロアに突き上げ、膨れ、ヒビ割れ、カビ、変色、白化などが生じる恐れがありますので、使用は控えてください。
住友林業クレスト メンテナンスガイド 基本のお手入れ
シートフロアでは、とくに注意が必要です。熱でシートと基材のあいだの接着が弱まると、シートが浮いてきます。一度浮いたシートは元に戻りません。スチームクリーナーは床に使わないでください。
| 場面 | おすすめの方法 | 避けたい方法 |
|---|---|---|
| 日常 | 乾いたモップかフローリングワイパー | 毎日の水拭き |
| 食べこぼし | すぐに拭き取る。公式も拭き取りやすい仕上げと書いています | 放置すること |
| しつこい汚れ | 中性洗剤を薄めて、固く絞った布で | スチーム洗浄機、研磨剤入り洗剤 |
| ワックス | 塗らなくて構いません | 市販ワックスを安易に塗ること |
ワックスの行を、あえて入れました。公式に不要と書かれていて、しかも密着不良の注意まで添えられています。塗らないほうがいいと考えてください。すでに塗ってしまった場合は、無理に剥離せず、まずご相談ください。


違います。住友林業クレストはベリッシュをオリジナルシートフロアと説明していて、JC ウォルナット柄についてはノーチェと呼ばれるヨーロッパ産のウォルナットをベースにしていますと書いています。ベースにしているというのは、その木をモチーフにしたデザインという意味です。柄の名前に樹種名が入っているだけで、表面は強化フィルムです。誤解しやすい表記ですが、公式の説明をよく読むとベースにという言い方で統一されています。
できる場合があります。ただし必ずできるわけではありません。ベリッシュの表面は強化フィルム(オレフィン)で、塗料が食いつきにくい素材です。住友林業クレスト自身も、ワックスについて種類や塗布条件により密着不良を生じる場合がありますと注意を書いています。施工する場合は専用のプライマーを使い、必ず事前に密着テストをしてください。テストをせずに塗ると、数か月で剥がれることがあります。
基材が違います。住友林業クレストの説明では、シストS-Jは国産材活用フロアで、北海道産のトドマツを使用した合板を基材にしています。シストS-Fは環境配慮型フロアで、成長サイクルが早いファルカタ材を基材に使用しています。表面の仕上げは同じ考え方なので、コーティングの判断が大きく変わることはありません。ただし基材の硬さが違うため、へこみの入り方には差が出る可能性があります。
傷と汚れについては対応しています。公式の仕様欄にもペット対応(傷・汚)と明記されています。ただし、これは滑りの話ではありません。シートフロアは表面が平滑なので、犬の肉球では滑りやすい傾向があります。体重のある犬や胴の長い犬種では、腰や膝に負担がかかることがあります。滑り対策が必要かどうかは、犬種と体重、そして実際の歩き方を見て判断してください。
見た目の統一感が崩れる可能性があります。ベリッシュCCは床・建具などをまとめてコーディネートするシリーズで、公式も色変化や艶変化、手触りを豊かに持たせていると説明しています。床だけ艶が上がると、同じ柄なのに質感が違って見えます。とくに床とドア枠が接する場所で差が出ます。施工前に、サンプルを建具のそばに置いて見比べてください。艶消しを選べば差は小さくなりますが、ゼロにはなりません。
ベリッシュは床暖房に対応しています。公式も、強化フィルムとハードベース(MDF)の採用により温度、湿度の変化に強く、ひび割れが起きにくくなっていると説明しています。ただし同じページに、床暖房にご使用の場合、加熱・乾燥で隙間が生じる場合がありますという注記もあります。板と板のあいだに隙間ができると、そこに塗料が入り込む可能性があります。床暖房がある場合は、施工時期と乾燥状態に配慮が必要です。
まず、塗ったワックスの製品名を控えておいてください。密着不良が起きている場合、部分的に白く濁ったりベタついたりすることがあります。その状態でコーティングを重ねると、下のワックスごと剥がれるため、先にワックスを落とす必要があります。ただしシートの床で強い剥離剤を使うと、シート自体を傷めます。自分で落とそうとする前に、一度ご相談ください。無理に剥がすのがいちばん危険です。
浅い傷であれば、補修用のクレヨンやマーカーで目立たなくできることがあります。ただし表面は印刷された柄なので、削って直すことはできません。深い傷で下の基材まで達した場合、その板だけ張り替えるか、そのまま使うかの二択になります。柄が廃番になっていると同じものが手に入らないこともあるため、気になる場合は早めに施工会社へ相談しておくと安心です。
ベリッシュについて調べ始めた方の多くは、オークだのウォルナットだのという名前を見て、天然木の床だと思っています。その前提のまま業者に相談すると、話がずれていきます。
実際にはシートフロアです。住友林業クレスト自身がオリジナルシートフロアと書いていますし、仕様欄には強化フィルム(オレフィン)と明記されています。樹種名は柄の名前であって、材料の名前ではありません。ここが腑に落ちると、あとの判断は難しくありません。
シートである以上、まず確かめるべきは塗料が密着するかどうかです。公式がワックスについて密着不良を生じる場合がありますと書いている床なので、コーティングでも同じ注意が要ります。どの塗料を選ぶかという話は、そのあとです。テストをしない業者には頼まないでください。順番を間違えると、数か月後に剥がれという形で返ってきます。
そして、そもそも必要かどうかも考えてみてください。擦り傷対応、キャスター対応、ペット対応(傷・汚)、ワックス不要。ここまで並んでいる床です。傷と汚れが心配だからという理由だけなら、当社は見送りをおすすめします。
一方で、犬や猫が滑って困っているという相談であれば、話は別です。滑りは傷や汚れとは別の問題で、ベリッシュの仕様には含まれていません。何を解決したいのかがはっきりしていれば、やるかやらないかの結論も自然に出ます。まずは床の正体を確かめて、それから目的を整理してみてください。
住友林業クレストの床材全体の分類や、挽き板のルシードEXとの違いについては、メーカー単位でまとめた記事で整理しています。あわせてご覧ください。

