
フロアコーティングアドバイザー|執行役員
対馬 洋二
業界10年。数多くのフロアコーティングを手掛けてきました。前職はRIZAPのトレーナーとして、お客様の目標達成にコミット。その経験を活かし、売るためではなく、本当に必要なご提案を大切にしています。床材との相性や種類、ペット対応まで分かりやすくご説明します。


フロアコーティングアドバイザー|執行役員
対馬 洋二
業界10年。数多くのフロアコーティングを手掛けてきました。前職はRIZAPのトレーナーとして、お客様の目標達成にコミット。その経験を活かし、売るためではなく、本当に必要なご提案を大切にしています。床材との相性や種類、ペット対応まで分かりやすくご説明します。

ウッドワンのピノアースを入れました。せっかくの無垢なので傷から守りたくてフロアコーティングを調べていたら、メーカーが推奨していないと書いているのを見つけて、手が止まっています。
ウッドワンは、お手入れマニュアルにフロアーコーティングは推奨していませんと書いています。理由まで添えてあり、はがれと床鳴りを挙げています。ただし、ピノアースの場合はそれ以上に大事な事情があります。この床には、メーカー自身が用意した削って新品に戻すためのサービスが存在するからです。
ウッドワンのサンディングサービスは、対象がジュピーノとピノアースの2つに限られています。無数にある同社の床材のうち、この2つだけが名指しされている。つまりピノアースは、傷を防いで使う床ではなく、傷がついたら削って直す前提で設計された床ということです。
この前提を知らないままコーティングを決めてしまうと、あとから取り返しがつかなくなることがあります。月300件以上のフロアコーティングを手がけている専門業者として、ピノアースで何が成り立って何が成り立たないのか、公式の記載をたどりながら整理しました。


まず原文を確かめます。ウッドワンのお手入れマニュアル、木質床材の項にこう書かれています。
※フロアーコーティングは推奨していません。推奨ワックスをご使用ください。(フロアーコーティングは、はがれ・床鳴り等の不具合を発生させることがあります。)
ウッドワン お手入れマニュアル 木質床材
読むときに気をつけたいのは、使用しないでくださいとは書かれていないことです。メーカーによっては、はっきり禁止の言葉を使い、不具合は保証対象外と続けます。ウッドワンはそこまで踏み込んでいません。推奨しない、という表現にとどめています。
とはいえ、推奨しないと書かれた施工をして何かが起きたとき、メーカーに相談しづらくなるのは確かです。ここは事実として受け止めておく必要があります。
理由として挙がっているのは2つです。どちらも無垢材を扱う会社らしい指摘だと思います。
| 挙げられている不具合 | 無垢の床で起きる仕組み | 気をつける場面 |
|---|---|---|
| はがれ | 無垢材は湿度で伸び縮みします。動く下地の上に硬い膜をのせると、膜がついていけずに浮きます | 梅雨と冬の乾燥期。窓際や床暖房まわり |
| 床鳴り | 板と板のすき間に塗料が入り込み、板どうしが固定されます。動こうとしたときに音が出ます | 施工直後よりも、数か月から1年後に出ることが多いです |
複合フローリングは合板の上に薄い化粧材を貼った構造なので、伸び縮みが小さく抑えられています。無垢はそうではありません。1枚1枚が呼吸していて、季節で寸法が変わります。動く床に動かない膜をのせるという組み合わせが、そもそも無理を含んでいる。ウッドワンが挙げた2つの不具合は、その無理から出てくるものです。
同じマニュアルには、ワックスについての記載もあります。
必ず、弊社推奨のワックスをご使用ください。他のワックスはトラブルの原因になります。
ウッドワン お手入れマニュアル 推奨ワックスについての記載
市販のワックスなら何でもいい、とは言っていません。銘柄を指定したうえで、他はトラブルのもとだと書いている。ここまで細かく指定する会社が、コーティングについては推奨しないの一言で止めている。この温度差には意味があります。ウッドワンは、床の表面に何をのせるかを、かなり厳密に管理している会社だということです。



お手入れマニュアルは、ウッドワンのメンテナンスページからデジタルカタログをたどると読めます。契約前でも見られるので、一度ご自身の目で確かめてみてください。
ここからがピノアース固有の話になります。ウッドワンにはサンディングサービスという有料サービスがあり、公式サイトにこう書かれています。
(株)ウッドワン製の無垢フローリング「ジュピーノ」と「ピノアース」に限ります
ウッドワン サンディングサービス 対象商品の記載
同社は無垢から突板、シートまで幅広く床材を出しています。そのなかで、削って塗り直すサービスの対象になっているのは2製品だけ。ピノアースはその1つです。
表面を研磨して、塗装して、艶をつけて仕上げる。公式の説明はこの順番です。傷んだ表面を削り落として、新しく塗り直すわけです。選べる内容も公開されています。
| 項目 | 公式に記載されている内容 |
|---|---|
| 対象商品 | ウッドワン製の無垢フローリング ジュピーノ、ピノアース |
| 塗装色 | ホワイト色、クラシック色、アンバー色 |
| 艶の種類 | マット、exマット、ウルトラマット(艶消し) |
| 表面仕上げ | フラット、うづくり |
| 最小施工面積 | 20㎡以上 |
| 料金の例 | 約25㎡で385,700円(税別)、約31㎡で427,100円(税別)。交通費と出張費は別 |
決して安くはありません。ただ、床を張り替えずに新品同様に戻せるという選択肢が公式に用意されている床は、そう多くないです。20年住んで傷だらけになっても、削れば元に戻る。ピノアースを選んだ意味の半分は、ここにあると言っていいと思います。
このサービスのページには、もう1つ見逃せない記載があります。
表面を研磨する際に、ワックスの塗布状況が問題になることはありません
ウッドワン サンディングサービス ワックスについての記載
ワックスを塗っていても、塗っていなくても、削ればいい。だから気にしなくていいという意味です。推奨ワックスを使ってくださいと言い、そのワックスは研磨の邪魔にならないと言う。ウッドワンの中では、この2つが1本の線でつながっています。
そしてフロアコーティングについては、このページに記載がありません。問題になるとも、ならないとも書かれていない。私たちが調べた範囲では、コーティング済みの床を研磨できるかどうかについて、ウッドワンが公開している記述は見つかりませんでした。ここは推測で埋めずに、記載がないという事実のまま置いておきます。



施工する側の実感としては、硬い膜がのった床の研磨は手間が増えます。ただ、それはウッドワンが言っていることではなく、あくまで当社の現場での話です。区別してお伝えします。
ここが判断の分かれ目です。ピノアースという名前は1つですが、中身はいくつかに分かれていて、サンディングサービスの対象から外れるものがあります。公式には、こう書かれています。
| 製品 | 厚さと構造 | 削って直せるか | コーティングの考え方 |
|---|---|---|---|
| ピノアース 足感フロア | ニュージーパイン無垢 12.0mm | 対象になります | 削る道が残っているので、急ぐ必要はありません |
| ピノアースエコ 152幅 | ニュージーパイン無垢 12.0mm | 対象になります | 同上。幅広なので傷は目立ちやすいです |
| ピノアース 6mm | 総厚6mm。既存の床の上に張る | 対象外です | 削れないぶん、表面を守る意味が出てきます |
| マンション用の直張り | 遮音性能を備えた接着工法用 | 対象外です | 同上。ただし遮音層があるので慎重に |
公式が対象外として挙げているのは、直張り接着工法用のフローリング(マンションの遮音性能を備えた場合など)と、総厚12mm未満のフローリング(リフォーム現場向けの総厚6mmフローリングなど)の2つです。
ピノアース6mmは、既存の床の上から重ね張りできるリフォーム向けの製品です。薄いので、削る余地がありません。この床に傷がついたら、直す手段は張り替えだけになります。
そうなると、表面を守っておく価値は12mmの場合とまったく違ってきます。削れる床なら傷は削ればいい。削れない床なら、傷をつけない工夫のほうに意味が出ます。同じピノアースという名前でも、ここで判断が入れ替わります。
ただし、6mmだからコーティングを勧めます、という単純な話でもありません。無垢である以上、伸び縮みの問題は残ります。ウッドワンが挙げたはがれと床鳴りのリスクは、厚さが薄くなっても消えません。むしろ薄い板のほうが反りやすい場面もあります。



マンションなので直張りのタイプです。削れないと聞いて、やっぱりコーティングしたほうがいいのかなと思ってしまいました。



直張りは遮音のクッション層が下にあるので、床が少し沈みます。沈む床の上の膜は割れやすいです。削れないから守るという発想は理解できますが、この構造ではおすすめしにくいのが正直なところです。


ピノアースのカラーバリエーションを、公式サイトの表記のまま並べます。
| 色の名前 | 公式表記 | 手入れで注意すること |
|---|---|---|
| ナチュラル色 | 色名のみ | 推奨ワックスの指定に従います |
| ウォームベージュ色 | 色名のみ | 同上 |
| アイボリー色 | クラフト仕上げ | 同上。表面に加工が入っています |
| ライト色 | クラフト仕上げ | 同上 |
| ミディアム色 | クラフト仕上げ | 同上 |
| ダーク色 | クラフト仕上げ | 同上 |
| 自然塗料クリア色 | 自然塗料と明記 | 一般のワックスは使えません。手入れの体系が別です |
出典 ウッドワン 無垢フローリング ピノアース足感フロアのカラーバリエーション表記
注目してほしいのは最後の1行です。7色のうち自然塗料クリア色だけ、色名に塗料の種類が入っています。ほかの6色には入っていません。
自然塗料は、膜をつくらずに木へ染み込ませる塗料です。木の呼吸を止めないかわりに、水や汚れにはそれほど強くありません。手入れは、汚れたら拭いて、乾いてきたら塗料を足すという繰り返しになります。
ウッドワンの自然塗料製品向けの説明書には、布に自然塗料を少量のせて軽くこするように塗り、5分ほど浸透させてから、染み込まずに表面に残った塗料を布で拭き取る、という手順が書かれています。塗って、待って、拭き取る。この動作を続けることで保たれる床です。
この床にコーティングをのせると、塗料を足せなくなります。染み込む先が膜でふさがれるからです。メーカーが用意した手入れの方法そのものが使えなくなるので、自然塗料クリア色については、コーティングという選択はおすすめしません。当社にご相談いただいた場合も、この色だとわかった時点でその旨をお伝えし、ほかの方法をご提案しています。
アイボリー、ライト、ミディアム、ダークの4色にはクラフト仕上げという表記があります。ピノアースには、うづくり、タテスジ、オビノコ、ウェーブ、ハンドスクレイプ、スプーンといった表面加工のバリエーションもあり、どれも木の表面にわざと凹凸をつけたものです。
この凹凸は、足でふれたときの感触のために入っています。ウッドワンは足感フロアという名前でシリーズ化していて、凹凸感、足触り、フィット感、リラックス感、リフレッシュ感の5つを軸にしたチャートまで公開しています。つまり手ざわりが商品価値そのものです。
そこに膜をのせると、凹凸の谷が埋まります。全部ではないにせよ、指でなぞったときの引っかかりは確実に変わります。わざわざ足感で選んだ床の、その足感を薄める工事になるわけです。
なお、公式の性能表記には注意書きがあり、汚れに強いという機能はタテスジには対応せず、ひっかき傷が目立ちにくいと車椅子対応はタテスジ、オビノコ、ウェーブ、ハンドスクレイプ、スプーンには対応しないとされています。凹凸の強い加工ほど、傷と汚れには弱いということです。ここは押さえておいてください。


ここまで読んで、それでもコーティングを検討したいという方もいると思います。小さいお子さんがいる、大型犬を飼っている、共働きで手入れの時間が取りにくい。事情はそれぞれです。頭ごなしにやめてくださいと言うつもりはありません。
ただ、順番として確かめてほしいことが3つあります。
自然塗料クリア色かどうかを、まずはっきりさせてください。図面か仕様書、なければ引き渡し時の書類に色名が載っています。自然塗料なら、その時点で話は終わります。
12mmの通常品か、6mmの重ね張りか、マンションの直張りか。ここで、あとから削って直せる床かどうかが決まります。削れる床なら、急いで決める必要はありません。
目立たない場所に少量だけ塗って、乾かして、状態を見ます。これをしない業者には頼まないでください。無垢は個体差が大きく、同じ製品でも1枚ずつ表情が違います。塗ってみないとわからないことがあります。
コーティングにはいくつか種類があります。無垢の床という前提で並べると、順番がはっきりします。
| 種類 | 膜の硬さ | ピノアースでの評価 | 理由 |
|---|---|---|---|
| UVコーティング | もっとも硬い | おすすめしません | 板の動きに追従しません。艶も強く、無垢の質感と噛み合いません |
| ガラスコーティング | 硬い | テスト次第です | 膜が薄く質感は残りますが、板のすき間に入るとリスクがあります |
| シリコンコーティング | やわらかい | テスト次第です | 伸縮に追従しやすい種類です。無垢に使うならこちらから検討します |
| 推奨ワックス | 膜をつくらない | メーカーの指定です | 研磨の妨げにならないと公式に書かれています |
硬い膜ほど傷には強く、そのぶん板の動きにはついていけません。強さと相性が反比例するのが、無垢という床の難しいところです。だからこの表では、いちばん強いUVがいちばん下の評価になっています。
硬い膜が合わないからといって、床を守る手段がないわけではありません。やわらかい膜を選び、艶を抑えた仕上げにすれば、雰囲気を変えずに保護できます。
東京都小平市、飯田産業の新築戸建てです。犬と猫と暮らすご家庭で、新築の床の雰囲気を変えたくないというご要望でした。艶を抑えた自然な仕上がりのガラスコーティングを選び、フローリング本来の質感を残したまま、爪による傷や水の飲みこぼしに備えています。ワックスの塗り直しも不要になりました。








この施工事例の詳細を見る(東京都小平市・2026-08-01公開)
この事例は複合フローリングですが、艶を抑えた薬剤を選べば質感は大きく変わらないことがわかると思います。ピノアースは無垢なので条件はさらに厳しくなりますが、塗れば必ず台無しになる、という話ではありません。密着テストとサンプルで確かめてから決めてください。


ピノアースの場合、コーティングだけを見ていても判断がつきません。削って直すという道が公式に用意されているので、そちらと並べて考えるのが現実的です。
| 選択肢 | 費用の目安 | タイミング | 備考 |
|---|---|---|---|
| 推奨ワックス | 材料費のみ。ご自身の手で | 年に1回から2回 | メーカーの指定どおりの方法です |
| シリコンコーティング | 30㎡で15万円前後から | 入居前か、家具を動かせるとき | 当社の場合。密着テストが前提です |
| サンディングサービス | 約25㎡で385,700円(税別) | 傷んでから。20㎡以上が条件 | ウッドワン公式の料金例。交通費と出張費は別 |
サンディングの料金は、公式サイトに載っている例をそのまま書いています。実際の金額は面積や仕上げで変わるので、ウッドワンに見積もりを取ってください。
こうして並べると、ピノアースという床の設計思想が見えてきます。日々はワックスで軽く整えて、20年後に一度削って新品に戻す。これがメーカーの想定している使い方です。コーティングは、その線の上に乗っていません。
ワックスを自分で塗り続けて、20年目に一度サンディングを入れる。この場合、大きな出費は20年目の約40万円だけです。ワックスの材料費は年に数千円ほどでしょう。
コーティングを入れた場合、初期費用がかかり、そのうえで20年後に削れるかどうかがわからない状態になります。削れなければ張り替えです。無垢のフローリングを30㎡張り替えると、材料と工事でサンディングよりかなり高くつきます。
金額の話だけをすれば、12mmのピノアースはワックスとサンディングの組み合わせが合理的です。これは当社にとって都合のいい結論ではありませんが、そう書くしかありません。


ピノアースのご相談をいただいても、お断りすることがあります。どういうときかを先に書いておきます。
| 状況 | 当社の対応 | かわりにご案内すること |
|---|---|---|
| 自然塗料クリア色 | おすすめしません | 自然塗料の塗り足しの方法をお伝えします |
| 密着テストで結果が出なかった | お受けしません | テスト費用はいただきません |
| 床暖房が入っていて反りが出ている | お受けしません | まず反りの原因を確かめてくださいとお伝えします |
| すでに市販のワックスが厚く塗られている | 剥離から相談になります | 無垢の剥離は木を傷めます。慎重に判断します |
断る理由は単純です。あとで不具合が出たときに困るのはお客様だからです。ウッドワンがはがれと床鳴りを挙げているのは、根拠のない警告ではありません。無垢の床にコーティングをのせた現場で、実際に起きうることを書いています。



密着テストは無料で行っています。塗ってみて、乾かして、だめなら正直にだめとお伝えします。判断する材料を持たないまま決めてしまうのが、いちばんもったいないです。
ピノアースは無垢なので、時間が経つほど状態が変わります。判断のタイミングによって、選べる選択肢も変わってきます。
家具が入る前の床は、いちばん条件がいい状態です。汚れも皮脂も付いていないので、密着テストの結果も素直に出ます。もし検討するなら、この時期がいちばん適しています。
ただ、引き渡し前は決めることが多すぎて、床のことまで頭が回らないのが実際のところだと思います。12mmのピノアースなら、急いで決めなくても取り返しがつきます。あとから削れるからです。判断を先送りしても損をしにくい床だという点は、覚えておいてください。
住み始めてから、思ったより傷がつくと感じて相談される方がいます。ニュージーパインは針葉樹で、オークやウォールナットのような広葉樹に比べるとやわらかい木です。物を落とせばへこみます。
ただ、ウッドワンはへこみへの対処法も公開しています。あて布をしてアイロンで蒸気をあてると細胞がふくらみ、目立ちにくくなることがある、という方法です。木がへこむのは細胞がつぶれているだけで、削れて無くなったわけではない。だから水分と熱で戻せる。無垢ならではの直し方です。
コーティングをのせた床では、この方法は使えません。蒸気が木まで届かないからです。傷を防ぐかわりに、傷を直す手段を手放すことになります。どちらを取るかは、住む人が決めることです。


ウッドワンのお手入れマニュアルには、推奨していないと書かれていますが、保証対象外になるとまでは書かれていません。メーカーによっては保証対象外と明記しているところもあるので、ウッドワンは比較的やわらかい表現です。ただし、推奨されていない施工をしたあとで不具合が出た場合、相談がしづらくなるのは事実です。気になる場合は、施工前にウッドワンへ直接お問い合わせいただくのがいちばん確実です。
ウッドワンの公開情報には、この点についての記載が見つかりませんでした。ワックスについては表面を研磨する際に塗布状況が問題になることはありませんと明記されていますが、コーティングについては触れられていません。受けられるとも受けられないとも書かれていない状態です。施工を決める前に、ウッドワンへ直接確認することをおすすめします。私たちの推測でお答えできる範囲を超えています。
建築時の仕様書か、引き渡しのときに受け取った書類に色名が載っています。手元にない場合は、施工会社に聞けば品番で教えてもらえます。それも難しい場合は、床の写真を送っていただければ当社で判定します。自然塗料クリア色かどうかは、表面のつやと手ざわりでかなり見分けがつきます。写真だけで断定できないときは、現地で確認します。
ワックスは傷を防ぐ力が弱いので、爪で引っかく場面が多い家では足りないことがあります。ただ、ピノアースの場合は滑りやすさのほうが問題になりやすいです。ワックスの種類によっては表面がすべりやすくなり、犬の足腰に負担がかかります。ペットが同居するご家庭では、滑りにくさを優先した対策を先に考えたほうがいいです。犬種や体重によって必要な摩擦の強さが変わるので、個別にご相談ください。
ウッドワンには床暖房の仕様に対応したピノアースが別製品として用意されています。ただ、床暖房対応であることとコーティングができることは別の話です。むしろ床暖房が入っている床は、温度変化で木が動く量が増えるため、膜には厳しい環境になります。ウッドワンが挙げているはがれのリスクは、床暖房があるぶん高くなると考えたほうがいいです。当社では、床暖房のある無垢の床へのコーティングは基本的にお受けしていません。
削って直せないぶん、表面を守る意味は12mmより大きくなります。ただし無垢であることは変わらないので、はがれと床鳴りのリスクは残ります。6mmは既存の床の上に重ねて張る製品なので、下地の状態によっても結果が変わります。ご相談いただいた場合は、必ず密着テストをしてから判断します。結果が出なければお断りします。削れないから必ずコーティング、という単純な結論にはなりません。
ウッドワンは他のワックスはトラブルの原因になりますと書いていますが、塗ってしまったものは仕方がありません。まず、塗ったワックスの製品名を控えておいてください。サンディングサービスについては、ワックスの塗布状況は問題にならないと公式に書かれているので、将来削って直す道は残っています。すぐに剥離しようとすると、かえって木を傷めることがあります。判断に迷う場合は、剥離する前にご相談ください。
汚れます。ただ、無垢の床は汚れても直せます。ウッドワンも、しみついた汚れは研磨と再塗装で対応すると説明しています。複合フローリングの場合、表面の化粧材が薄いので削れば下地が出てしまいますが、無垢は厚みのぶんだけ削る余地があります。汚れを防ぐことに神経を使うより、汚れたら直せると考えたほうが、この床とは長くつきあえます。


ピノアースを守りたいと考えたとき、多くの人が思い浮かべるのは、表面に何かをのせて傷をつけないようにすることだと思います。フロアコーティングという言葉から連想するのは、たいていそちらです。
でもウッドワンが用意しているのは、逆の道でした。傷はつくものとして受け入れて、ついたら直す。へこみは蒸気で戻し、汚れは研磨と再塗装で落とし、20年経って全体が傷んだらサンディングで削って塗り直す。そのために、無垢フローリングの中でもジュピーノとピノアースだけを対象にしたサービスまで用意している。推奨していませんという一文の裏には、この設計思想があります。
だから12mmのピノアースを入れた方には、まず何もしないという選択肢を検討してほしいと思っています。推奨ワックスで軽く整えながら使って、本当に困ったときにサンディングを呼ぶ。これがこの床にとっていちばん素直な使い方です。当社は施工する側なので、こう書くのは損な気もしますが、事実として書いておきます。
一方で、6mmの重ね張りやマンションの直張りを選んだ方は、事情が違います。削って直す道が最初から閉じているからです。それでも無垢である以上、はがれと床鳴りのリスクは消えません。この場合は、やるかやらないかの前に、この床にこの塗料が乗るのかどうかを1回試してみることをおすすめします。試さずに決めるのがいちばん危ないです。
そして自然塗料クリア色を選んだ方には、はっきりお伝えします。この色にコーティングはしないでください。塗料を足しながら育てる床なので、膜をのせるとその道が閉じます。選んだ時点で、手入れの方法まで一緒に選んでいると考えてもらうのがいいと思います。
床の色も厚さもわからない、という方が実際にはいちばん多いです。写真を送っていただければ判定しますし、現地でも確認します。判定の結果、やめたほうがいいという結論になることもよくあります。そのときは正直にそうお伝えします。まずは、ご自宅の床が何なのかをはっきりさせるところから始めてください。
ウッドワンの床全体の考え方や、ほかの製品との違いについては、メーカー全体をまとめた記事で整理しています。あわせてご覧ください。

