銘木フロアー(イクタ)のフロアコーティング|挽き板の質感

監修者

フロアコーティングアドバイザー|執行役員
対馬 洋二

業界10年。数多くのフロアコーティングを手掛けてきました。前職はRIZAPのトレーナーとして、お客様の目標達成にコミット。その経験を活かし、売るためではなく、本当に必要なご提案を大切にしています。床材との相性や種類、ペット対応まで分かりやすくご説明します。

イクタの銘木フロアーという床です。名前に銘木とついているので本物の木だと思うのですが、フロアコーティングをしても大丈夫でしょうか。

本物の木で合っています。イクタは銘木フロアーについて天然木ツキ板のフローリングと明記しています。同じイクタでもプリオスは印刷された柄なので、この2つは中身がまったく違います。

見分け方は簡単です。ラインナップの名前に柄がつくかどうか。チーク、ウォールナット、ナラ樫というように柄がつかなければ、本物の木です。イクタはこの表記を一貫して使い分けています。

ただし、本物の木だからコーティングすべき、という話ではありません。銘木フロアーには塗装の違う系統があり、さらにマンション用の直貼りもあります。月300件以上のフロアコーティングを施工している立場から、系統ごとに判断がどう変わるのかを整理しました。

この記事の結論
  • 銘木フロアーは天然木ツキ板です。名前に柄がつかないのが目印です
  • シルクは3分ツヤ、ラスティックはツヤなしです。艶で判断が変わります
  • 多くの製品に光触媒が載っています。その場合はコーティングで機能が止まります
  • 直貼45はクッション材入りです。沈む床なので、膜には不利な条件です
目次

銘木フロアーは、艶で2つに分かれます

イクタの製品ページを整理すると、銘木フロアーには大きく2つの系統があります。価格はすべて公式に掲載されている税別の材料単価です。

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系統ツヤ公式の説明価格(税別)
銘木フロアー シルク3分ツヤ素足に気持ちいいシルク塗装による滑らかな仕上がり9,090円から11,210円/㎡
銘木フロアー ラスティックツヤなししっとりとしたマットな風合いのラスティック塗装9,090円から10,610円/㎡
銘木フロアー ラスティック 直貼45ツヤなし直貼り工法専用。特殊クッション材を使用14,750円から16,390円/㎡

出典 イクタ 銘木フロアーシルク、銘木フロアーラスティック、銘木フロアーラスティック 直貼45の各製品ページ

このほかに、エイジング、ランダム、フレンチヘリンボーン、MEGURIといった派生があります。どれもラスティック系で、イクタの主力はツヤなしのほうだと見ていいと思います。

シルクという名前も、塗装の種類から来ています。イクタは素足に気持ちいいシルク塗装による滑らかな仕上がりと説明していて、3分ツヤという控えめな艶に設定されています。ツヤありとツヤなしの中間を狙った仕上げで、光沢が強すぎず、それでいて拭き取りやすい。床材としてはバランスのいい設定です。ここに膜を足すと、この絶妙な位置から動くことになります。

樹種の数が違います

樹種のラインナップにも違いがあります。シルクはチーク、ウォールナット、ブラックチェリー、ナラ樫、ハードメープルの5種類。ラスティックはこれにアカシアとイタヤカエデが加わって7種類です。

アカシアとイタヤカエデがラスティックだけにあるのは、この2つが節や色のばらつきが出やすい木だからだと考えられます。ツヤなしの仕上げは、木の個性を受け止めやすいのです。艶を出すと、色の差がかえって目立ちます。

ここはコーティングの判断にも関わります。個性のある木を選んでいるなら、その個性を薄める方向の工事は避けたほうがいいです。

ツキ板という構造を、正確に知っておく

イクタは銘木フロアーを天然木ツキ板のフローリングと説明しています。ツキ板というのは、丸太を薄くスライスした板のことです。それを合板などの基材に貼り合わせて、フローリングに仕上げています。

無垢との違いは、動き方です

無垢の床は、板1枚が丸ごと木です。湿度によって伸び縮みし、冬は縮んで目地が開き、梅雨には膨らみます。この動きが、コーティングにとってはいちばん厄介な条件になります。

ツキ板は違います。下が合板なので、木の動きが合板に抑えられています。イクタが床暖房対応をうたえるのも、この構造だからです。同社は、厳しい試験をクリアした床暖房対応品だと説明しています。

つまり、はがれや突き上げのリスクは無垢より低くなります。コーティングとの相性という点だけを見れば、無垢より条件はいいのです。問題は、相性ではなく必要性のほうにあります。

なお、ツキ板の厚みについては、イクタは製品ページに具体的な数値を出していません。一般にツキ板は0.3mm前後のものが多いとされますが、この床が何ミリなのかは確認できませんでした。厚みを知りたい場合は、品番を添えてイクタに直接お問い合わせください。

表面は、あくまで本物の木です

構造が複合であっても、踏んだときに触れているのは本物の木です。だから板ごとに表情が違いますし、色の濃淡もあります。塗料の吸い込み方も1枚ずつ変わります。

これが、印刷された柄の床との決定的な違いです。柄の床は表面が均一なので、塗った結果も均一に出ます。天然木は塗ってみないとわからない部分が残ります。

密着テストをするときも、平らできれいな板ではなく、色の濃い部分や節のある場所を選んで塗ります。いちばん条件の悪いところで試さないと、本番で想定外のことが起きるからです。

樹種ごとの性格も出ます

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樹種イクタの説明から塗るときに気をつけること
チーク世界三大銘木のひとつ。強靭で耐久性・耐水性に優れ、天然油分の効果で肌触りが滑らか油分があるため、密着の確認が要ります
ナラ樫硬く重い材で耐久性に優れる導管が太く、塗料が入り込みます
ウォールナット濃い色合いの銘木艶が乗ると印象が大きく変わります
ハードメープル絹のような光沢と白さ。衝撃に強い緻密なので、塗りムラが目立ちます
アカシア、イタヤカエデラスティックのみのラインナップ色のばらつきが大きく、均一に塗りにくいです

チークは天然油分を含む木として知られています。イクタも、天然油分の効果で肌触りが滑らかだと説明しています。油分のある木は塗料が密着しにくいことがあるので、チークの床はとくにテストが欠かせません。

多くの製品に、光触媒が載っています

ここが、銘木フロアーで最初に確認すべき点です。イクタはラスティックについて、次のように説明しています。

しっとりとしたマットな風合いのラスティック塗装に、可視光型光触媒による消臭、ウィルス、細菌、VOC低減効果をプラスした、安心、安全、健康かつ、天然木ツキ板のフローリング。

イクタ 銘木フロアーラスティック

可視光型光触媒、という言葉が入っています。これはイクタがエアー・ウォッシュと呼んでいる機能です。シルクにも同じ機能が載っていて、両方とも抗ウイルス効果、抗菌効果、VOC低減効果、消臭効果が仕様欄に並んでいます。

膜をのせると、機能が止まります

光触媒は、床の表面にある酸化チタンに光が当たり、そこにウイルスや菌、においの分子が触れることで働きます。フロアコーティングは表面に膜を作る工事なので、分子が酸化チタンに届かなくなります。

イクタ自身、ワックスについてイクタのエアー・ウォッシュ・フローリング製品は、エアー・ウォッシュ機能が低下する恐れがあると書いています。ワックスより厚くて長持ちする膜をのせれば、結果はもっとはっきり出ます。

だから当社は、エアー・ウォッシュ機能のある床については、まず機能が止まることをお伝えしています。腕の問題ではなく、どんなに上手に塗っても同じ結果になるからです。そのうえで、衛生機能と滑り対策のどちらを優先するかを決めていただきます。全面ではなく、必要な場所だけ施工するという方法もあります。まずはご自宅の製品にこの機能があるかどうかを確かめてください。

光触媒があると聞いて選びました。コーティングをすると本当に効かなくなるのですか。

フロアコートアドバイザー

効かなくなります。しかも、効かなくなったことは目に見えません。床はきれいになって艶も出るので、むしろ良くなったように感じられます。失われたものだけが見えない。ここがいちばん怖いところです。

プリオスと並べると、狙いの違いが見えます

イクタには、印刷された柄のプリオスシリーズもあります。価格を並べてみると、この会社の考え方がよくわかります。

プリオスは9,090円から10,610円/㎡、銘木フロアーは9,090円から11,210円/㎡。価格帯がほとんど重なっています。本物の木を貼った床と、柄を印刷した床が、同じような値段で並んでいるわけです。

これは、プリオスの側に機能が載っているからだと考えられます。光触媒、滑りにくさ、EBコーティング。素材ではなく機能に価値をつけている。一方の銘木フロアーは、素材そのものに価値があります。買う側は、素材で選ぶか機能で選ぶかを決められる構成です。

もっとも銘木フロアーにもエアー・ウォッシュが載っているので、素材と機能の両方を取れる製品もあります。そしてその場合こそ、コーティングは避けるべきということになります。

直貼45だけは、事情が違います

マンションにお住まいの方は、銘木フロアーラスティック 直貼45という製品の可能性があります。イクタの説明はこうです。

床で発生する固体音を伝わりにくくする特殊クッション材も使用しています。シート貼りが主流となる中、安全・安心、健康かつ快適な、突き板の直貼フローリングです。

イクタ 銘木フロアーラスティック 直貼45

マンションの直貼りで突板というのは、実は珍しい製品です。遮音性能が求められる直貼りでは、シート貼りが主流になります。そのなかで本物の木を使っているという点は、価値のある選択だと思います。

沈む床の上に、膜は張れません

ただし、コーティングとなると話が変わります。特殊クッション材が入っているということは、踏むと床がわずかに沈むということです。

塗膜は硬いので、沈む動きについていけません。歩くたびに曲げられる場所から、細かいヒビが入ります。とくに動線の多い場所や、家具の脚が当たる場所で出やすくなります。

当社では、遮音のクッション材が入った直貼りの床について、硬い膜のコーティングはおすすめしていません。どうしてもという場合は、やわらかい膜のものを選び、密着テストで確認してから判断します。直貼45は、価格が通常のラスティックより5割ほど高い床です。慎重に扱う価値があります。

直貼45には、防虫処理も入っています

直貼45の仕様欄には、ほかの製品にはない項目があります。防虫処理と防音の2つです。

防音は特殊クッション材によるもので、イクタは床で発生する固体音を伝わりにくくすると説明しています。マンションの上下階の音の問題に対応した仕様です。防虫処理については、直貼りの構造上、床下に空気が通らないことへの備えだと考えられます。

価格が通常のラスティックより5割ほど高いのは、こうした加工が積み重なっているからです。14,750円から16,390円/㎡という単価は、床材としてはかなり上のほうになります。それだけ作り込まれた床に、あとから膜をのせる必要があるのか。ここは一度立ち止まって考える価値があります。

なお、イクタは直貼45について、経年後も寸法精度は変わりませんと書いています。通常のラスティックでは変わりにくくなっておりますという表現なので、直貼45のほうが踏み込んだ言い方です。それだけ自信のある製品だということだと思います。

マンションです。直貼りかどうかはどう調べますか。

フロアコートアドバイザー

踏んでみてください。わずかに沈む感じがあれば直貼りです。あとは品番でも確認できます。ご不明なら写真を送ってください。

派生製品が多いのも特徴です

銘木フロアーラスティックには、派生製品がいくつもあります。イクタの製品一覧から拾うと、次のようになります。

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製品特徴コーティングでの注意
銘木フロアーラスティック基本形。ツヤなし艶が変わります
銘木フロアーラスティック 直貼45マンション用。クッション材入り沈む床なので膜が割れやすいです
銘木フロアーラスティック MEGURI北海道産広葉樹の未利用材を活用節が多く、均一に塗りにくいです
銘木フロアーラスティックランダム幅の異なる板を組み合わせ目地が増え、塗料が溜まりやすくなります
銘木フロアーラスティック フレンチヘリンボーンヘリンボーン張り目地が斜めに走り、手間が大きく増えます
銘木フロアーラスティックエイジング古材のような加工表面の凹凸が埋まる可能性があります
リフォームフロアー 銘木ラスティック既存床への重ね張り用厚みが薄く、削って直せません

ヘリンボーンは、とくに手間が変わります。板が斜めに組まれているので、塗るときの方向が一定になりません。木目に沿って塗るという基本が使えないからです。ヘリンボーンの施工経験があるかどうかは、業者に必ず確認してください。

エイジングも要注意です。古材のような表情を出すために表面に凹凸をつけているので、コーティングで谷が埋まると風合いが変わります。加工の手間をかけた床ほど、膜との相性は悪くなります。

MEGURIは、節のある木を使っています

銘木フロアーラスティックの派生に、MEGURIという製品があります。ほかとは成り立ちが違う床なので、別に書いておきます。

イクタの説明によると、MEGURIは北海道産広葉樹活用プロジェクトから生まれた製品です。空知単板工業と、ノーザンフォレストが立ち上げたプロジェクトにイクタが賛同し、本来はチップになるはずだった広葉樹を突板にして床材にしています。

イクタは、北海道の広葉樹のうち製材用・合板用として利用されるのはわずか8%で、丸太の約9割が選別後にチップ化される運命にあると説明しています。理由として挙げられているのが、曲がりや節など、建築基準に合わないという判断です。

MEGURIのラインナップには、3Pランダム幅タイプという形式があります。品番はAW-NARA-R-3のような表記で、寸法は12×303×1818mm、6枚1ケースで3.3㎡になります。品番の頭にAWとついているとおり、こちらもエアー・ウォッシュ対応です。節の多さに加えて光触媒の問題もあるので、コーティングという選択は二重に相性が悪いことになります。

節が多い床は、塗るのが難しくなります

つまりMEGURIは、節や曲がりのある木をあえて使った床です。使われている樹種は、セン、ナラ、カバ、ニレの4つ。どれも北海道に自生する広葉樹です。

節のまわりは、木の組織が詰まっていて硬く、周囲とは塗料の吸い込み方が違います。均一に塗るのは平らな床より難しく、節のところだけ艶が違って見えるという仕上がりになりがちです。

MEGURIへの施工を検討する場合は、必ず節の多い場所でテストしてください。きれいな板で試しても、本番で困ります。当社がテストするときは、いちばん節の集まっている箇所を選んで塗っています。

もっとも、節を含む木の表情を選んで買った床です。個性を消す方向の工事は、そもそも目的と合っていないと考えています。

天然木ツキ板の床に施工した事例

天然木ツキ板の床にも、質感を損なわずに施工できます。当社の事例です。

東京都日野市|新築戸建て|タキハウス|ガラスコーティング

東京都日野市、タキハウスの新築戸建てです。朝日ウッドテック製の天然木複合フローリングに、ツヤを抑えた保護膜を形成するガラスコーティングを施工しました。天然木の質感を損なわない自然な仕上がりで、傷や摩耗を軽減しつつ汚れも付きにくくなります。水拭きで手入れできるようになるのも利点です。

天然木ツキ板フローリング リビングのフロアコーティング施工前
BEFORE|リビング 施工前
天然木ツキ板フローリング リビングのフロアコーティング施工後
AFTER|リビング 施工後
天然木ツキ板フローリング 洋室のフロアコーティング施工前
BEFORE|洋室 施工前
天然木ツキ板フローリング 洋室のフロアコーティング施工後
AFTER|洋室 施工後

この施工事例の詳細を見る(東京都日野市・2026-07-02公開)

銘木フロアーも同じ天然木ツキ板です。ツヤを抑えた薬剤を選べば、木の表情を残したまま保護できます。ただしエアー・ウォッシュ機能が載っている場合は話が別なので、品番の確認が先になります。

イクタが出した宿題を、どう読むか

イクタはフロアコーティングについて、禁止も推奨もしていません。フローリング基礎知識の質問集に、次のように書いています。

コーティングの種類、施工方法によっては、表面材の変色、剥がれ、ジョイント部分の突き上げ、床鳴り等のトラブルが発生する事例があります。コーティングの施工業者を選定される場合には、業者の施工実績等の信頼性を、お客様にて充分ご検討お願いします。万一、コーティングに拠るトラブルが発生した場合には、弊社での責任は負いかねますのでご理解の程、宜しくお願い申し上げます。

イクタ フローリング基礎知識の質問集

業者選びはお客様の仕事です、という立場です。そして責任は負わないと明言しています。この書き方は、他のメーカーと比べるとかなり特徴的です。

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メーカーコーティングについての記載
LIXIL使用しないで下さい。ご使用に伴う不具合は保証対象外となります
ウッドワンフロアーコーティングは推奨していません。はがれ・床鳴り等の不具合を発生させることがあります
永大産業コーティングは製品の改造にあたるため、塗装性能および製品保証はコーティング業者の責任という趣旨の記載があります
イクタ業者の施工実績等の信頼性を、お客様にて充分ご検討お願いします
住友林業クレスト記載が見つかりませんでした

判断を施主に委ねる、という姿勢

禁止しているメーカーのほうが、施主にとっては楽です。考えなくていいからです。イクタの書き方は、判断する余地を残したぶん、確かめる責任も渡していることになります。

とはいえ、施主が業者の施工実績を検証するのは簡単ではありません。だから本来は、業者の側が聞かれる前に出すべきだと考えています。この記事のように、やめたほうがいい場合をあらかじめ書いておくのも、そのひとつです。

見積もりを取るときは、この床にコーティングをすると何が良くなりますかと聞いてみてください。エアー・ウォッシュ機能のことを知らない業者であれば、床を調べずに見積もりを出しています。

それでも検討するなら、この順番で

STEP
エアー・ウォッシュかどうか確かめる

仕様書に抗ウイルスや光触媒という記載があれば該当します。その場合、コーティングで機能が止まるので、ここで話は終わりです。

STEP
直貼りかどうか踏んで確かめる

わずかに沈む感触があれば直貼45の可能性があります。クッション材が入っているので、硬い膜は割れやすくなります。

STEP
艶の系統を確認する

シルクは3分ツヤ、ラスティックはツヤなしです。ツヤなしを選んでいるなら、膜で艶が上がることを許容できるかを先に考えてください。

STEP
節のある場所でテストする

天然木なので、板ごとに塗料の入り方が違います。節や色の濃い部分を選んで塗り、乾かしてから判断します。当社では無料です。

1番目で止まるケースが、実際にはいちばん多いです。イクタの床材は、エアー・ウォッシュ機能が載っている製品がかなり多いからです。

銘木フロアーのよくある質問

銘木フロアーは無垢材ですか

無垢ではありません。イクタは天然木ツキ板のフローリングと説明しています。ツキ板というのは、木を薄くスライスしたものを合板などの基材に貼った構造です。表面は本物の木ですが、板全体が木でできているわけではありません。無垢ではないぶん反りや狂いが少なく、床暖房にも対応できるという利点があります。同じイクタでも、プリオスは印刷された柄なので、そちらとはまったく別物です。

シルクとラスティック、どちらが傷に強いですか

どちらも仕様欄に傷に強いという項目があり、大きな差はありません。違いは見え方です。ツヤなしのラスティックは光を散らすので浅い擦り傷が目立ちにくく、3分ツヤのシルクは表面がなめらかなぶん、傷が入ると線として見えやすくなります。ただし深い傷については、艶の有無にかかわらず目立ちます。どちらを選ぶかは、傷の強さより質感の好みで決めていい部分だと思います。

ツキ板は削って直せますか

難しいです。ツキ板の厚みは製品によって異なりますが、無垢のように全面研磨できる厚みはありません。浅い傷であれば補修材で目立たなくできることがあります。イクタも、木の本来の性質から割れや節欠けが出る場合もありますが、月日の流れとともにそれが味わいとなりますと説明していて、傷や変化を受け入れる前提の書き方をしています。神経質に守るより、変化を楽しむほうが合っている床です。

ワックスは塗っていいですか

塗らないでください。銘木フロアーの仕様欄にはWAXフリーと記載されています。加えてイクタは、ワックス全般についてイクタとしてはおすすめしておりませんので、ご自身で責任を持って行ってくださいと書いています。エアー・ウォッシュ機能がある製品については、さらにエアー・ウォッシュ機能が低下する恐れがあるとも明記されています。何も塗らないのが、この床の正しい使い方です。

床暖房が入っていますが問題ありませんか

銘木フロアーは床暖房対応品です。イクタは、厳しい試験をクリアした床暖房対応品ですと説明しています。ただし、床暖房に対応していることと、その上でコーティングが問題なく使えることは別の話です。床暖房があると床の温度が季節で変わり、木が動く量が増えます。塗膜は木ほど伸び縮みしないため、目地のあたりからヒビが入ることがあります。施工する場合は、暖房を切って数日おいてから作業するなどの配慮が必要です。

うちの床がどの製品か、どう調べますか

建築時の仕様書に品番が記載されています。手元にない場合は施工会社に問い合わせてください。艶の度合いでもある程度は判別でき、しっとりマットならラスティック系、わずかに光るならシルク系です。また、床を踏んでわずかに沈む感触があれば直貼45の可能性があります。ご不明な場合は、床の写真を送っていただければ当社で判定します。

節や色のばらつきが気になります

天然木ツキ板なので、板ごとに表情が異なります。とくにラスティック系は、木の個性を生かす方向の仕上げです。イクタも、割れや節欠けが出る場合もありますが、月日の流れとともにそれが味わいとなりますと説明しています。気になる場合、コーティングで均一に見せることはできません。むしろ艶が加わることで、色の濃い部分と薄い部分の差が強調されることもあります。

オプション会で勧められました

まず、床がエアー・ウォッシュ機能つきかどうかを確認してください。該当する場合、コーティングで光触媒の機能が止まります。その点を業者に伝えて、どうなるかを質問してください。明確に答えられないようであれば、その場で契約しないほうがいいです。銘木フロアーはWAXフリーの床なので、入居時に何かを塗らなければ手遅れになる、ということもありません。判断は持ち帰って構いません。

まとめ|本物の木だから守る、とは限りません

銘木フロアーという名前を見て、本物の木だから守らなければ、と考える方は多いです。実際に天然木ツキ板ですし、印刷された柄の床とは価値が違います。その気持ちはよくわかります。

けれどイクタは、この床を守るための仕組みを、すでに床の中に入れています。可視光型光触媒で空気をきれいにし、UV塗装で傷と水に備え、WAXフリーで手入れの手間もなくしている。そのうえで、木の本来の性質から割れや節欠けが出る場合もありますが、月日の流れとともにそれが味わいとなりますと書いている。変化を受け入れて長く使うという考え方の床です。

だから最初に確かめてほしいのは、エアー・ウォッシュ機能があるかどうかです。あるなら、コーティングでその機能は止まります。空気のことを考えてこの床を選んだのであれば、選んだ理由を自分で消すことになります。

次に確かめるのが、直貼りかどうかです。直貼45にはクッション材が入っていて、踏むと沈みます。沈む床の上の硬い膜は割れます。通常のラスティックより5割ほど高い床なので、なおさら慎重に扱ってください。

当社は月300件以上フロアコーティングを施工しています。イクタの床については、まず品番を確かめて、エアー・ウォッシュ機能があるかどうかを見ます。機能がある床なら、それが止まることをお伝えしたうえで判断していただきます。機能がない床であれば、天然木ツキ板の質感を残したまま保護できます。床の品番がわからなければ、写真を送っていただければ判定します。

イクタの床材全体の考え方や、柄のプリオスとの違いについては、メーカー単位でまとめた記事で整理しています。あわせてご覧ください。

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